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最終パット、負けを意識した考えを攻めに転じて優勝。ここに、今季の強さが表れていた
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最終戦の日本シリーズJTカップで劇的な優勝を飾り、賞金ランキングで2位、今年のMVPに選ばれた藤田寛之。ふだんから“脇役”を自認するが、ツアーの最終場面で一気に主役に躍り出た。今年のツアーを牽引した41歳アラフォー藤田に何が変わったかを聞いた。
GD 初の日本タイトル奪取の感想は?
藤田 「正直にうれしいですね。ここ数年、年間2勝と、メジャー競技での勝利を目標と公言していたので、凄い達成感があります。(優勝を決めた)最後の80センチのパーパットは正直、とんでもなく難しいのが残ったと思いました。
上から膨らませてカップ際で止め2パットでプレーオフに入ってから負けるのと、真っすぐ打って入れにいき外れて負けるのと、同じ負けるとしたらどちらが気分が良いかを考えたんですが、でもすぐに、とにかく真っすぐ打つと決めた。
自分の心の中で決めたから打てたのか、よく動く手を持っていたのかはわからないが、よくあれだけ強く打ったと思います」
GD 2007年から賞金ランクはベストテン入りし、平均ストロークやトータルドライビングもランクアップ。それがアラフォーで大飛躍の理由は。
藤田 「40歳を前にして体の疲れやパワー不足を感じるようになり、ここ2、3年は今の自分に何が足りなくて何が必要かを考え実践することが課題でした。その結果、ウェートを取り入れるなどトレーニング方法も変化をさせた。スウィングは、以前のフェード一辺倒から、ストレート、時にはドローを打っています。
最近はブログなどでファンとの接点が近くなり、そういう人の声や意見を聞く機会が多くなりました。同世代の人が、自分のような特別ではなく普通の人間が頑張る姿を見て『勇気をもらった』とか『励みになる』という声を寄せてくれ、そういった言葉が励みになっています」
GD 来年は全米・全英オープンは確定。賞金ランク2位の次に狙うのはやはり頂点か。
藤田 「海外のメジャーに関しては、出場をここ2、3年の目標の一つにしていたので楽しみです。マスターズはまだ他のツアーの試合が残っていて確定ではないので、決定した時点でいろいろ考えたいですね。
賞金王に関しては、今年2位になったから次はテッペンを目指すというのは、自分としては違うかなと思います。ただ、自分としてはベストを尽くすという思いは常にもっています」
“脇役”が“主役”にステップアップした藤田寛之。来季は、海外メジャーでもファンを沸かせてくれることを期待したい。
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