ゴルフクラブの今年のモデルがほぼ出揃ったが、今季はいくつかニューブランドが誕生した。しかも共通するのは“社運を賭ける”ほど力を入れていることだ。モノが売れないといわれて久しいなか、ニューブランドが起爆剤になるのだろうか。
ブリヂストンスポーツの新ブランド「ファイズ」の発表会では、グループ本体のブリヂストンの社長までもが登壇した。またヨネックスでは、これまでのブランドを完全に引っ込めて石川遼を前面に打ち出したブランドを発表した。
ファイズは「上質な大人の世界観」を強く打ち出している。その点でも、また性能的にもゼクシオが標的であることは明らかだ。
「確かに1代前あたりのゼクシオに近いが、ただ、『これで行くんだ』という強い意思は感じられますね。ターゲットとしてはV-iQと重なる部分もありますが、ゴルファーにとっては選択肢が増える。たとえばドライバーは46.25インチと長めで、同じ新ブランドでもプロギアのiDはむしろ短め(45、44.75インチ)。年齢などよりもゴルフスタイルで選べるという意味では歓迎です」(二木ゴルフ・営業部マネジャー・杉山公平氏)
そのプロギアの「iD」も新ブランドで、ファイズと共通するのは、感性を重視している点だ。「ファイズ」は長くても、長さを感じさせない作りで、一方の「iD」は長尺・軽量を見直して短く握りやすくしたと、同じ感性重視でも方向は違う。
一方ヨネックスの「イーゾーン」は、従来以上に石川遼のイメージが強く打ち出されている。これまでヨネックスは石川人気でアパレルなどは好調だったが、ことクラブに関してはいまひとつだった。人気キャラクターを前面に押し出すことでクラブも販促につなげようという狙いは明らか。
いずれにしても3つともマーケティングをベースにしたニューブランドで、かつてのエスヤードやオノフのように居場所を確保できるかどうか。
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