昨年10月20日、キャスコを21億円で買収したばかりのマミヤ・オーピーだが、今度は「アッタス」などのブランドを持つシャフト事業を第三者に譲渡することが明らかになった。
マミヤ・オーピーといえば、日本で最初にカーボンシャフトを開発したオリムピック釣具をルーツに持つ、いわばシャフト業界のしにせ。キャスコを傘下に収め、総合ゴルフ用品メーカーとして、両ブランドの相乗効果を生かすべく事業展開を模索していた矢先、一転してシャフト事業からの撤退。荒療治に踏み切ったのはなぜなのか。
「アッタス」シリーズのヒットで、シャフト交換などの市場で販売が伸びているとはいえ、他メーカーのシャフトのOEMの売上げは5割と大きな比重を占める。
「高品質のシャフトを供給してもらえば取引上の問題はない」(ブリヂストンスポーツ)
という考えもあるが、ライバル会社となった同社との取引に二の足を踏むメーカーもある。
「そうした懸念はキャスコの買収を進めていた当初からありましたが、いざ発表してみたところ、いくつかの取引先から、今後の商売が難しくなるのではというご指摘をいただきました」(マミヤ・オーピー秘書室)
実際には取引のキャンセルなど実害は発生していないものの、今後のシャフト事業の拡大発展の足かせとなりかねない。
「両者をいい形で残すために、シャフト事業をマミヤ傘下から外すという経営判断を下しました」(マミヤ・オーピー秘書室)
譲渡は、会社分割というかたちで行われる。これはマミヤ・オーピーのシャフト事業を一旦新設のUST株式会社に継承させた後、USTの全株式を、現時点では明かせないが、今交渉中の新オーナー会社に譲渡する。同社では今年度中にすべての手続きを終わらせる計画という。
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