国内女子ツアー開幕戦はパク・インビの優勝で幕を閉じたが、その陰で地元期待の宮里藍が国内7年ぶり3度目の予選落ちを喫するというニュースがあった。実はその背景に日米でのプレーペースの違いがあったという。
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マーク、マーク、マーク……徹底マークの女子プロたち
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同大会では最終日にソン・ボベが遅延プレーで2打罰となり優勝争いから脱落する一幕もあった。前の組と2ホール開いたため警告を受けたが改善されず、競技委員が時間を計測。
14番パー3で「日本女子プロゴルフ協会競技の条件5―(5)プレーのペースに関する基準及び罰則」にある「3打=101秒以上」に抵触し(122秒かかった)バーディがボギーとなった。
プレーファストはゴルフの原則でスロープレーはマナー違反。それはソン本人も納得しているが、1ラウンド4時間10分で回って2打罰は「厳しい」という声も。「アメリカでは1ラウンド5時間半でも罰則を受けない」と証言する在米ゴルフ記者もおり、今回の裁定に同情的な意見も。
藍が予選落ちしたのも、米ツアーで持ち時間を目一杯使うペースに慣れていたため、進行の早い日本でリズムを乱したことが遠因となった。
「米国に比べてプレーの進行が圧倒的に早いのを忘れていました。ルーティンも早くしなければならないと思って、タイミングを合わせづらかった」(藍)
ところで日米ともに女子ツアーでは30センチに寄せてもマークする選手が多く、進行の遅れに繋がっているのでは? との指摘も。そういえば男子に比べて女子は圧倒的に「お先に」をしない。
ゴルフマナー研究家の鈴木康之氏はいう。「確かにマークしすぎですね。プレーのペースは自分だけでなく“相互のペース”と考えなくてはなりません。自分のペースにこだわるのはゴルファーとして不適切。プロは一挙手一投足がアマチュアの規範になるべきという社会的責任を認識し直してほしいですね」
欧米の選手の中には「相手に“お先に”をされると自分のラインに影響が出る」という理由で嫌がる人もいる。ボールが沈むベント芝ではひと転がりにさえ神経質になりがち。だがすべてはバランスと常識の問題。何が何でもマークする女子プロの習慣、この際、考え直してみてはいかがだろうか?
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