週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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トラの居ぬ間に普通の人ドナルドが荒稼ぎ。
欧米ダブルで賞金王になる？

派手さはないがトップ10フィニッシュ数は11回で１位

　男子の世界ランク1位は誰？　この問いに即答できる人は少ないのでは？　世界1位といえばタイガーのイメージがあまりにも強いためか、現1位のルーク・ドナルドの影はかなり薄い。だが侮るなかれ。実はドナルド、欧米両ツアーの賞金王を取りそうな勢いなのである。

　ドライビングディスタンスは米ツアーで153位。飛ばなければメジャーでの優勝もない。派手さとはおよそかけ離れている、普通の人ドナルドだが、今年5月、欧州ツアーのBMWPGA選手権に勝ってリー・ウエストウッドから1位を奪って以来、世界ナンバーワンの座を守り続けている。アイアンの正確性、ショートゲームの巧みさには定評があるプレーヤーだ。

「世界ランクはデータ争いで単なる数字。他を圧倒する力を見せつける必要はない。誰よりもコンスタントにポイントを稼いだ証が世界1位という結果。ナンバーワンに相応しいと思うか？　と聞かれることがあるけれど答えに困る。数字は数字だからね。それ以下でもそれ以上でもない」とドナルドは世界一にも淡々としたもの。

　主戦場にしているアメリカですら、彼がランク1位であることを知らないゴルファーは多い。その現実に本人は「注目を集めたい気持ちもあるけれど、タイガーやフィル（ミケルソン）みたいに常に騒がれていたら、自分が自分でなくなってしまう気がするから望まない」と発言。

　目立たないのは何よりメジャーでの勝利がないからだが、今季米ツアーで優勝1回、2位2回、3位1回を含むトップ10入り11回で米ツアー賞金ランクは2位。欧州ツアーでも2勝を挙げ、欧州賞金王レースでは1位を独走中なのである。

　プレーオフシリーズのフェデックスカップは目下4位。フェデックス王者には1000万ドル（約7億6000万円）、欧州ツアーの賞金王に輝くと750万ドル（約5億7000万円）のボーナスがそれぞれ与えられる。ドナルドが両ツアーの賞金王に輝けば、獲得した賞金以外に13億円以上のボーナス収入が転がり込むことになる。

「本音をいえばメジャーに勝ちたい」と本人はいうが、前人未到の両ツアーのダブル王者なるか注目だ。

　
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