16歳でLPGAツアー優勝を飾ったアレクシス・トンプソンが、コミッショナー裁定による特例で、正式にツアーメンバー入りを果たした。お国事情が反映するプロになれる年齢、世界の常識とは?
文武両道が基本の米国では、女子の場合、18歳にならないとツアーへのフル参戦権はない。宮里藍と同期のモーガン・プレッセルは17歳でプロ転向、QTにも合格したが、年齢制限が障壁となり、当初は出場試合数が限られた。しかし「このルールは時代錯誤」と、当時のビベンスコミッショナーが特例を認め、プレッセルはフル参戦権を獲得。18歳でメジャー最年少Vを達成した。
初優勝直後、トンプソンもQT受験がツアーカード取得の条件といわれたが、世論の声に後押しされ、マイケル・ワンコミッショナーが選手たちからの嘆願書を受理した形で、弱冠16歳でのフル参戦が認められた。
では日本の事情はどうなのか? 女子のプロテスト受験には、その年の4月1日時点で満18歳以上の女子という条件が明記されている。男子は義務教育を終えていれば受験OK。QTを経れば15歳からのフル参戦が可能で、今年は15歳の史上最年少プロ、A・ジェーンワタナンド(タイ)が、QT2次をクリアし来季のフル参戦を目指している。
欧州男子は、比較的年齢制限は緩やか。17歳で欧州男子ツアー最年少優勝を飾ったマテオ・マナセロ(イタリア)がプロ転向したのは16歳で、彼以外にも、10代後半のプロが続々誕生している。しかし米国は、若くしてプロに転向して成功した例がほとんどなく、大学ゴルフ部を経て、プロ入りするのが定番。タイガーもプロ転向はスタンフォード大在学中の20歳だった。
そう考えると、16歳でプロとしてのキャリアをスタートさせた石川遼は、世界でも例外的な早さ。とはいえ、プロの世界ではどれだけ早く結果を出すかが勝負ではない。2年連続マスターズ出場を果たす東北福祉大の松山英樹も、プロになるのは大学を卒業してからだという。
焦る必要はなさそうだが……。
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