最終戦にもつれ込んだ米男子ツアーの賞金王争い。世界ランク1位のルーク・ドナルドが奇跡の大逆転で初のマネーキングに輝いた。
「生きるか死ぬかの瀬戸際」そうドナルドは表現したが、彼が賞金王に輝く道はただ1つ。最終戦で2位以内に食い込むこと。
大会前賞金ランク1位のウェブ・シンプソンとの差はおよそ36万ドル(約2800万円)。3日目終了時点で首位と5打差の14位タイに後退し、最終日フロント9終了時点で、ドナルドはシンプソンに2打のリードを許し米賞金王は絶望かと思われた。
ところがサンデーバック9に入るや10番から13番まで2.5メートル以内に次々とショットを寄せ4連続バーディ。14番で5メートルをねじ込み、15番では15メートル近いロングパットを沈めるなど猛チャージ。結局2位に2打差をつけ逆転優勝を達成し、6位タイに終わったシンプソンを見事、うっちゃって賞金王に輝いた。「やるべきことはわかっていたし、自分にはそれができると信じていた。今回の優勝は人生でもっとも達成感がある」と心の底から快挙を喜んだドナルド。
「6連続バーディをマークされちゃかなわない。本当にルークは凄かった」と敗れたシンプソンも脱帽。
だがドナルドにはもう1つ大きなミッションが残されている。それは未だかつて誰も成し遂げたことのない欧米両ツアー同時賞金王。終盤を迎えた欧州ツアー(残り5試合)でドナルドは2位のローリー・マクロイに1億円以上の大差をつけ1位を快走しており、快挙達成の絶好のチャンスに「新しい歴史を刻む!」と張り切っている。
米ツアーでドライビングディスタンス147番目という飛ばない男は、欧米で今季出場した試合の8割近くでトップ10入りを決め、ベアトロフィ(平均ストローク1位)にも輝いた。3パット率はたった1.24パーセントだ。インパクトやカリスマ性にはちょっと欠けるが、いま、誰よりも強いのはドナルドだ。
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