週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 12/27号
2011/12/19更新

42歳、藤田。
師匠・芹澤の「元に戻せ!」のアドバイスでビッグタイトル

 日本ツアーの掉尾(とうび)を飾る日本シリーズで、今季初勝利の一矢を報いて賞金ランクも5位に入った藤田寛之。本人と師匠の芹澤信雄がメジャー出場とスウィング改造に明け暮れた今季を振り返った。




 昨年の藤田は平均ストローク、賞金ランクともに2位で、飛躍の年だった。しかし今年は、何かが噛み合っていないようなチグハグな印象。世界4大メジャーに全試合出場したが、すべて予選落ちだった。

 そして、藤田がいちばん悔やんだのは日本オープンだ。鷹之台CCは藤田好みのセッティングだと誰もが感じたというが、2日目に79を叩いて予選落ち。

 そして日本シリーズ。

「優勝争いができる球は打っていなかったし、問題山積の状態で勝てたのが不思議」(藤田)

“谷口の日”のように見えた最終日も、土壇場で追いつき、プレーオフを制した。「なぜか風がこちらに向いた」と、どうも勝者の華やぎはない。

 改めて今季の数字を見ると──。冒頭で述べたように賞金ランクは5位。平均ストローク4位。総合的に優れたプレーヤーを選出するユニシスポイントは堂々の首位(昨年は5位)。

 藤田は今季を振り返り「日本オープンの予選落ちが屈辱的でした。その後(師匠の)芹澤さに見てもらったら、もう少し下半身を使ったスウィングでドローを打てと。元々ぼくはフェード打ちなんですが。それで180度変わりました。そしてフェニックスまでよくて、カシオで悪くなり、また最後日本シリーズで勝って……」と、チグハグぶりを認めた。

「海外メジャーは全部予選落ちで打ちのめされたが、高い目標はこれからも持ち続けたい。体力的にきついところもあるが、オーバーヒートしないようにしたい。ただここ2、3年飛距離が伸びているので楽しみです」

 最後に師匠の芹澤が弟子の今季を振り返る。

「マスターズ行きが決まった後の取材攻勢がすごくて、藤田はあまり練習できなかったようです。練習量が減ったのは痛かったと思います。日本オープンの後、すぐ会ってくれと連絡があったので、スウィングを見ると、トップで間があるのはいいんですが、踊ってクラブが少し寝て入るんです。それで球が左へ出てさらに左に行く球筋になっていたので、もう少しスクェアに下ろせと助言したわけです。ドローを打て、といったわけではない。やり過ぎなところを少し元に戻したほうがいい、といったのです。元々、藤田は心配性で、ネガティブに考えやすいんで、もっとポジティブに楽観的にといいました」

 来年43歳。168センチの体でどんなパフォーマンスを見せてくれるか、楽しみだ。

 
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