アジアンツアーの最終戦、タイゴルフ選手権でリー・ウエストウッドが圧勝。予選ラウンド2日間を通算20アンダーでクリアしたときには、記録的な大勝利かと思われたが、決勝ラウンドに入って失速。それでも2位に7打の大差をつけ、最高の形で2011年シーズンを締めくくった。
初日が自身キャリアベストの「60」の12アンダー。2日目も強風のなか、ノーボギーの64で回り、通算20アンダー。その時点で2位のシャール・シュワーツェルらに11打差をつけ独走態勢に入る。この段階で、早くもほかの選手たちは「これだけ差をつけられたらお手上げ。オレらは皆、2位狙い」と旗を巻いた。
アジアンツアーでの最少優勝スコアは09年にタイのチャプチャイ・ニラトが記録した32アンダー。2位との最大ストローク差は05年にアーニー・エルスがBMWアジアンオープンでマークした「13打差」があるが、それらの記録すべてを塗り替えるのでは、と思わせるほどの勢いだった。
ところが3日目に「73」と失速。最終日は「68」と決勝ラウンド2日間で3打しか伸ばせず期待外れの結果に。
本人は「初日にいきなり自己ベストの60をマークして、2位と11打も差が開いたことで逆にプレッシャーがかかってしまった。これで負けたらどうしようか思った」と苦笑い。しかし今季4勝目を挙げたことで、ライバルのローリー・マクロイを抜いて世界ランクは2位に浮上。今季(2012年)につながる貴重な勝ち星となった。
ちなみに昨季の日本男子ツアー18ホール最少スコアは9月のトーシンで宮本勝昌がマークした「62」。次が近藤共弘(つるや)と武藤俊憲(ダンロップフェニックス)の「63」。10年中日クラウンズで石川遼がマークした「58」のような爆発的スコアは記録されていない。
それにしても世界ランク1位のルーク・ドナルドと2位のウエストウッドに未だメジャー勝利がないのはゴルフ界の七不思議。今季は無冠の2人にぜひ、メジャータイトルを勝ち獲ってもらいたい。
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