米ツアー開幕戦、ヒュンダイ選手権は、スティーブ・ストリッカーが23アンダーというハイスコアで制した。かたや、欧州ツアー開幕戦、アフリカオープンもルーイー・ウェストハイゼンが27アンダーと、これまたすごいスコア。米と欧、合わせて50アンダーという開幕戦、コースが易しすぎるのでは? という声が上がった。
ヒュンダイが行われたのは、ハワイマウイ島のプランテーションコース。7411ヤード・パー73と決して短くはないのに、なぜ?
「山の中腹に設計され、ドライバーを思い切りひっぱたける広いコース。それに下りのホールが多いので、パー4などのセカンドはほとんどがショートアイアン。おまけに設計したB・クレンショーは起伏の激しいポテトチップグリーンが嫌いなので、比較的平らで微妙なラインや芝目の読みを重視するグリーンに仕上げています。だからパットの調子がよければ60台前半が出るはずです」とは、コース設計家・川田太三氏。
また、クラブやボールの進化もすさまじい、と川田氏はいう。コースがオープンしたのは2000年。その頃はまだ2打目でロングアイアンを持つ選手も少なくなかった。それが今や、大半がショートアイアン。
「糸巻きボールと現在のボールの比較実験をしたら、糸巻きで25ヤード曲がったものが現在のボールでは9ヤードしか曲がらないといいます。それに風は強いのですが、暑いところの風は“薄い”んです。ハワイの風ではさらに曲がりも少ないはずです」(川田氏)
アフリカオープンの行われたイーストロンドンGC(南ア、6691ヤード・パー73)は川田氏も知らないコースというが、用具の進化は同じ。
ゴルフコースを改造するのは大事業。こうなればプロの使用ボールに限り、サイズを大きくして飛ばなく、しかもカップインしにくくするか、プロの使用クラブに規制をかけるしか、スコアを抑える方法はない? 実際、ジャック・ニクラスが、今年のPGAショーで、プロの試合の用具規制についての提案を行うという噂だ。
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