今季何度も優勝争いを演じながら惜敗続きだった宮里藍が、遂にロッテ選手権でシーズン初Vを飾った。好調の陰には彼女がここ数年取り組んできた独自のトレーニングがあるようだ。
宮里は2009年からアメリカ在住のヨガインストラクター山本邦子氏の指導を受けているがその指導法が一風変わっている。
フェルデンクライスという聞き慣れないメソッドをヨガと組み合わせたトレーニングで、運動感覚と柔軟性を向上させているという。平たくいうと自分がイメージしたスウィングを実現するために、フィルデンクライスで運動感覚を、ヨガで柔軟性を鍛えたというわけだ。
よくゴルファーが「頭ではわかっているが体がついていかない」とか「イメージどおりの動きができない」ということをいうが、自分が意図する動きと現実とのギャップを埋める効果がフェルデンクライスにはあるという。スピードのある動きではなく、シンプルな動きをゆっくり時間をかけて行うことで自らの体の動きを感じる「気づき」の能力を高めていく。
「実は体が硬かった」という宮里はヨガ効果で股関節や肩の可働域が飛躍的にアップ。山本トレーナーを帯同したオフの合宿では、バックスウィングで左に体重が残る、「ギッタンバッコン」の傾向がある宮里に「おへその下(丹田)を回す意識を持ってはどうか?」と提案。「そのおかげで体重移動がスムーズになった」とスウィングのコーチの父・優さんもその効果を認めている。
「いまのアイは本当にスウィングのバランスがよい。持っている能力を最大限に生かす術に長けている」とメンタルコーチのピア・ニールソンとリンマリオットも感嘆の声を上げるが、成長の陰にはトレーナーと取り組んだ地道な鍛錬の日々があった。
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