アコーディアとPGMのバトルについて、続報をお伝えする。
4月17日の秋本一郎アコーディア専務の突然の会見で始まった、一連の竹生道巨アコーディア社長が「資金を私的に流用している」という問題。アコーディア、PGM、そしてアコーディアの大株主としてこの問題に火をつけた、オリンピア(平和の子会社)が音頭を取る「アコーディアゴルフ株主委員会」といった顔触れのあいだで、反論の応酬が繰り返されているが、ここまでは既報。
そして5月21日。かねてからの予告通り、アコーディアの社外取締役ら4名で構成される「指名委員会」が、来る6月28日の株主総会で提案するアコーディアの役員候補者を公表した。「指名委員会」の案は、鎌田隆介取締役が社長昇格、鈴木隆文取締役が留任、内部昇格2名、社外取締役5名(うち2名は留任)となっており、竹生氏の名はなかった。
同日、竹生氏は引責辞任を表明。理由は「特別コンプライアンス委員会の調査開始後にもかかわらず、取締役1名が個人行動に走り、企業価値を棄損させたこと、それに自らが見解の相違はあるものの不適切な行動をとったことに対する責任をとるため」だった。
竹生氏の代表辞任を公表した記者会見に竹生氏は出席せず、出席した鎌田新社長は、竹生氏が総会で取締役を退任したあとも、引き続き何らかの形で、有給でアコーディアに残る予定であることなどを明らかにした。
このアコーディア側の発表を受け、5月23日には「株主委員会」と秋本氏がリリースを出す。まず秋本氏は、竹生氏の代表権返上と取締役退任は評価。竹生氏が引き続き有給で会社に残るという不完全なものではあるものの、一定の区切りがついたとして、「株主委員会」からの取締役推挙は受けないことを明らかにするなど、あまり過激さは感じられない。これに対し「株主委員会」のリリースは激しい。「引責辞任を余儀なくされた竹生氏を、引き続き有給で社内に留めるという態度は、アコーディアの取締役会のコンプライアンス意識がいかに世間のそれと乖離しているかを満天下に示すもの」と批判。
このほか「指名委員会」が選んだ取締役候補には、「指名委員会」のメンバー4名のうち2名が含まれており、自分で自分を指名する形になっている。「指名委員会」が株主の意見を聞くといっていたにもかかわらず、「株主委員会」には何も聞いてこなかったこと、「株主委員会」が提案した候補者が一人も入っていなかった、といったことも批判している。
翌24日にアコーディアの株主のうち、機関投資家を対象に、「株主委員会」が開催した説明会では、オリンピアの兼次民喜代表が委任状争奪活動(プロキシーファイト)を行うことを明らかにした。6月初旬に個人株主向けの説明会を開催したのち、株主に対し委任状の勧誘活動を開始することを宣言したのだ。
これにアコーディア経営陣がどう立ち向かうのか。ゴルフ場経営2大大手のバトルは続く。
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