今年1月の民事再生申立から8カ月。10月3日、太平洋クラブの債権者集会が開催された。アコーディアゴルフをスポンサーとする再生計画案は、6866票対3634票の反対多数で否決され、再生手続き廃止が決まった。
すでに9月28日には会員組織『太平洋クラブ会員の権利を守る会』世話役の西村國彦弁護士ら会員有志177名で会社更生法を申請。会社側も10月3日夕刻に更生法を申請、現経営陣に代わって会社を管理する保全管理人の弁護士が選任された。更生手続きでの再建が可能と裁判所が判断すれば、約2週間~1カ月で更生手続き開始決定が出て、保全管理人が管財人に横滑りしスポンサー選定作業に移る。
10月3日に会見を開いた西村弁護士は「日本では会員の法的権利が確立していないなか、大規模ゴルフ場での会員勝利は奇跡的」とし、勝因として「会員の団結」を挙げるとともに、親会社太平洋ホールディングス(GK)による“最後の抵抗”を激しく批難した。
というのも、当初の予定では債権者集会を開かず、9月25日東京地裁必着の書面投票で翌26日には結果が出るはずだった。ところがGKが締切が11日後に迫った9月14日、債権者集会開催の申立を行った。民事再生法では集会を開いての投票が基本なので、書面投票に不満な債権者は集会開催を求める権利があり、求められたら裁判所は債権者集会を開催する義務を負う。このため、書面投票期限の1週間後の集会開催が決まった。
債権者集会を開いておくと、再生計画案が否決されても、計画案を変更してもう一度集会の開催を求めることができる。それを目論んだ上での申立であることを予想した西村弁護士が、それを阻止すべく、急きょ内々に有志を募って更生法を申請。更生法が受理されていれば、民事再生手続きの中止命令を裁判所に出してもらうことができるからだ。
今後、『守る会』は『創る会』に名を変えて活動を継続。「現在4~5社のスポンサー候補と接触中だが、10月中旬くらいまでに推薦するスポンサー候補を1社に絞って公表する」(西村弁護士)。
会社側、つまり管財人が『創る会』とは別にスポンサーを募る可能性は当然ある。以前から「手続の透明性が確保されれば手を挙げる可能性はある」としてきたPGMが名乗りを挙げることもあり得るが、今回スポンサーになりそこなったアコーディアは「あらためて名乗りを上げるかどうかは、まったく白紙の状態から検討し直す」という。
順調にいくと、スポンサーが決定するのは来年の3~4月頃。太平洋クラブを巡る攻防はこれから本番だ。
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