12月3日、アコーディアがPGMによるTOB(公開買付け)に対し、正式に「反対」の意見表明を行った。
反対する理由は4つ。①(同日発表した)新中期計画のほうがPGMとの統合よりも会社の価値を高める②8万1000円という公開買付け価格はアコーディアの実力に対して安すぎる③PGMが大株主になった上で統合交渉をしようというのだから、PGMの株主の利益が優先されて、アコーディア株主の利益が不当に害されるおそれがある④経営統合前提なのに具体的な条件を明かにしておらず、TOBに応募しないとアコーディア株主が後々不利な扱いを受ける可能性がある、というもの。
まず①の具体策として会社側が提示したのが、右肩上がりの事業計画と利益の9割を配当に回すという大幅増配計画。これをやるとM&A(コースの合併と買収)をやる資金がなくなるので、これからは買収ではなく運営受託中心に経営を方針転換することになる。ただ、右肩上がりの根拠となる数字が出されておらず、“気合い計画”的な印象を受けてしまう。
最も投資家の応募行動に影響を与えそうな②についてはほとんど説明がなく説得力に欠ける。③と④は、事前協議もなくいきなりTOBという行儀の悪さに怒っているという印象しか与えない。
市場株価が8万1000円以上になればTOBに応募するメリットがなくなり、TOBは阻止できるのだが、翌4日の終値は前日比100円高の7万7400円。どうやら新中期計画では株主の心は動かせなかった。TOB終了の1月17日まであと1カ月半。果たしてアコーディアは株主の心を動かす次の一手を打てるのか、注目される。
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