荒天による順延はゴルフにつきものだが、自然の猛威に祟られた欧州ツアーの13年シーズン開幕戦が36ホールに短縮されたばかりか、パー65の変則で雌雄を決するという、前代未聞の展開となった。
南アツアーとの共催で行われたネルソン・マンデラ選手権の舞台は「普段なら1日3ラウンドも不可能ではない」といわれるほど、現在、日照時間の長い南アのロイヤルダーバンGC。ところが季節外れの大雨に見舞われたコースが浸水しプレー不可能なコンディションに。
とはいえ、大会初日が順延された時点では「72ホール競技にこだわる」とトーナメントディレクターのM・エリクソン氏は強行スケジュールを示唆していた。しかし、翌日になってコンディションは一層悪化。夜のうちに嵐が同地を直撃し、結局第1ラウンドが行われたのは土曜日になってからだった。
しかも、コース内のあちこちがアンプレヤブルな状態だったため、パー70のところをパー5が1ホール、パー4が9ホール、パー3が8ホールのパー65に急遽変更、全長7194ヤードを1600ヤード短くする苦肉の策で乗り切った。
当然60台前半のスコアが続出。「パーが65だったというのを伏せて64で回った、凄いだろ! と話すつもり(笑)」といい出す選手も現れた。
結果は第1ラウンドで68位タイと出遅れた29歳のスコット・ジェイムソン(スコットランド)が第2ラウンドにノーボギーの8アンダー57と爆発。同スコアで並んだ3人によるプレーオフを制してツアー初優勝を飾った。賞金は規定により減額されたが勝ちは勝ち。
「シーズンのスタートを勝利で飾れるなんて最高!」と誇らし気にトロフィーを掲げ、素直に初Vを喜んだジェイムソンであった。
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