欧州ツアーのアブダビHSBC選手権で予選落ちしたタイガー・ウッズ。
その原因が、「ルールを知らなかったため」とは、なんとも、お粗末な話だが……。
2日目、5番パー4(428メートル)。タイガーはティショットを右のブッシュに打ち込んだ。行ってみるとボールは砂地にめり込んでいる。マーカーのマーティン・カイマーを呼んで、その状況を確認し、“当然”のようにドロップして打ち、そのホール、ボギーでなんとかおさめたが……。
実はその処理は"当然"ではなかったのである。規則25-2にこうある。「スルーザグリーンの、芝草を短く刈ってある区域で、球
がその勢いで地面に作った穴(ピッチマーク)にくい込んでいるときは、罰なしに拾い上げて拭き、~中略~ドロップすることができる」と。
問題となったのは、「芝草を短く刈ってある区域」かどうかの点。「フェアウェイの芝の長さかそれより短く刈ってあるコース上のすべての区域」、例えばグリーンエッジなどのライが、その適例となる。
しかし、今回のタイガーのケースでは、葉の広い草が生い茂り、「短く刈った区域」でなく、また砂地で「地面」でもなかった。それが11番ホールで発覚し、ラウンド終了後に、2打罰を加えられたのだ。
「ローカルルールがない限り、この"短い刈り高"の概念は広く知られているはずで、世界で活躍する選手が、それも、マーカーも知らなかったというのは残念なことですね」(ルール研究家・石井米二郎氏)2打罰というのも、本来なら3打罰になることもある。「インプレーの球を拾い上げたペナルティが1打、リプレースして打たなかった誤所からのプレーで2打罰となるのでしょうが、悪質ではなく、うっかりミスということで競技委員は裁定したものと思われます」(前出・石井氏)
自分の対応が、タイガーの予選落ちを招いたと、カイマーもショック。しかし、「ルールを破った。だから2ペナは当然」とタイガーはサバサバした表情だった。
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