週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 7/9
2013/7/2更新

メジャー初優勝
元天才少年ローズの「じぇじぇじぇ(JJJ)」プロ人生

 43歳の誕生日優勝を目指したミケルソンの悲願を打ち砕き、ジャスティン・ローズが英国勢43年ぶりの全米オープンチャンピオンに輝いた。しかし、このVで世界ランク3位に浮上したローズ15年間のプロ人生は、決して順風満帆ではなかった。


メジャー獲ったどー!

 南アフリカの首都ヨハネスブルグに生まれたローズは、5歳のときイギリス南部のハンプシャーに移り住んだのをきっかけに父の手ほどきでゴルフを始めた。11歳にして70を切り、14歳でハンディはプラス3を誇ったまさに"天才少年"だったのだ。  

 そんな彼を一躍有名にしたのは、15年前ロイヤルバークデールで行われた全英オープン。当時日本で活躍していたブライアン・ワッツがマーク・オメーラとのプレーオフを戦い、敗れたものの大きな話題になったあの試合である。

 最終日最終ホール、17歳紅顔の美少年ローズは劇的なチップインバーディを決めて地元のギャラリーを熱狂させ、オメーラ、ワッツ、タイガーに次ぐ4位に食い込んだ。プロ宣言をしたのはその翌日。周囲からは「早すぎる」という声もあったが「そのときはプロになることに何の疑いも持っていなかった」(ローズ)

 だが少年を待ち受けていたのは苛酷な現実。98年の7月、デビュー戦のTNTオランダオープンで予選落ちを喫すると、そこから21 試合連続予選落ちという不名誉な欧州ツアー記録をつくってしまう。

 しかし「もちろん落ち込んだけれど、家族や(当時コーチだった)デビッド(レッドベター)に『焦らなくても大丈夫。必ず結果はついてくる』と励まされて、なんとか乗り越えることができた」と99年の6月、コンパックヨーロピアンオープンでプロ初の予選突破。苦労の末に07年、エルスやハリントンを退け、遂に欧州ツアー賞金王に輝くと、10年にメモリアルトーナメントで米ツアー初優勝。今回の米ツアー5勝目が初メジャー制覇と相成った。

 少年の頃からの夢が叶ったローズは感慨深げにこう語る。「15年前の全英がまるで昨日のよう。でも中身は25年ぶんくらい濃密なものだった。それにしてもよくここまでこれたものだ」(ローズ)

 人気のTVドラマ風にいうと「じぇじぇじぇ!」驚きのプロ人生だったわけである。


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