これまで独立採算、完全個人主義だったキャディたちが結束し、9月末にツアーキャディ協会(以下TCA)なるものを発足させた。
設立メンバーに名を連ねるのが、深堀圭一郎や宮里藍に加え、シン・ジエの専属キャディとして世界中で優勝に貢献してきたディーン・ハーディン氏(豪州出身)。先日の米女子ツアーのハナバンク選手権(10月17~20日・韓国)でソ・ヒキョンのバッグを担ぎ、プレーオフでは敗れたものの2位へと導いた。彼によると、TCAはすでに欧米男女ツアーから承認を受け、「ツアーキャディの権利を守るため」の活動をスタートさせている。
「キャディは誰よりも早くコースに入り、一番最後にコースを後にする役どころです。選手のために、大切な家族さえ後回しにする。そんな仲間たちに少しでも働きやすい環境を整えられれば……」(ハーディン氏)
登録したキャディのプロフィールをTCAのホームページに掲載。同時に選手からの求人情報を掲載することで「必要な人に必要なタイミングで」仕事を回すことが可能になる。先日の国内男子ツアーのトーシントーナメントの会場で、シンガポール人キャディのハミット氏が試合2日前にも関わらず〝担げるバッグ〟を探していた。幸いにも、塚田陽亮と偶然再会し無事に職を得たのだが、そんなドタバタの職探しもなくなる。
また、TCAがスポンサー探しを行ったり、経理・財務関係の専門家の助言が受けられたりするなど、これまで社会保障に無縁だったキャディに後ろ盾ができたというわけだ。
すでに欧米男女各ツアーのキャディの多くが趣旨に賛同しTCAに入会しており、ハーディン氏は「今後は日本ツアーのキャディにも参加してもらいたい」と語っている。
ちなみに入会金は199ドル(2万円弱)。縁の下の力持ちの地位向上は業界にとって悪いことではないはずだ。
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