賞金王争いとともに、シード権争い(男子上位70人、女子同50人)も熱を帯びてきた。例年、土壇場で悲喜こもごものドラマが展開される。あの選手たちも当落線上で苦闘している。
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桃子もシードまであと一歩?
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男子では先日、ブリヂストンオープンを制した丸山大輔が一気に〝イチ抜け〟した。今季はそれまで出場17試合で予選落ち・途中棄権が9試合。賞金ランク68位に低迷していたが、あの一勝で21位にまでジャンプアップするとともに、ツアー優勝による2年シードを獲得した。
昨年、シード権争いの最終戦(カシオ)で9位 タイに入り逆転で圏内に滑り込んだ浅地洋佑は、現在75位と今季も苦戦している。同じく昨年、わずか約6万円差でシードを死守した原口鉄也は現在87位。700万円程度の上積みが求められる。
その原口以上の苦境にあるのが、宮里家の長男、聖志。今シーズンは出場19試合で、タイオープンの28位タイが最高。14試合で予選落ちとどん底の状態にある。去年も秋口まで沈んでいたが、ツアー初優勝を挙げた那覇GC開催の日本オープンで7位に入り、残り
6試合で1400万余りを稼いだ。今年も巻き返しのきっかけをつかめるか。
女子では、上田桃子に注目が集まる。来季は米ツアーから撤退し日本ツアーに復帰する予定だが、シード権はない。それだけに、先日のマスターズGCレディースで3位タイに入ったのは大きい。賞金ランクを76位から55位まで上げた。さらに「直近の試合で3位 タイ以上」という資格で次戦(ウイダーレディス)の出場権も得た。もともとウイダーには年8試合だけ使える〝推薦枠〟の最後の1試合として出場する予定だったが、貴重な推薦枠を伊藤園レディスか大王製紙エリエールレディスにスライドできる。
桃子以上に低迷しているのが諸見里しのぶ(70位)。09年に公式戦2勝で得た14年までの5年シードがあるが、人気のある実力者が賞金シードを失うのは寂しいかぎり。11年の日本女子プロ優勝で来季までの3年シードを持つ三塚優子も同様だ。
一方、昨年話題を集めた2人。プロ10年目の30歳で初優勝を遂げた永井奈都(84位)と開幕戦優勝で〝シンデレラ〟になった斉藤愛璃(91位)は、ともにファンには気が気ではないポジションにいる。
シード争いは残すところ男子4試合、女子2試合(ミズノクラシックは富士通レディース終了時点の上位35人までに出場権)。ドラマの主役になるのは誰だろう。
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