今年のジュニアゴルファーや大学生の活躍を見ると、実家がラーメン屋や居酒屋など庶民的な家庭から強い子が生まれている。かつて裕福なジュニアしかゴルフができなかった環境は大きく変わりつつある。
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ラーメン屋の小浦和也くん
居酒屋の岡崎錬くん
ラーメン屋の永井花奈ちゃん
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日本オープンでローアマに輝いた小浦和也くん(20歳・専修大3年)の実家は宮崎の人気ラーメン店。父・浩二氏は「ちっぽけなラーメン店の経営ですからお金はありません。息子が中学に入って競技ゴルフを始めたとき、私はゴルフをやめ、その分を息子に回しました」と振り返る。親子でゴルフを楽しむには難しい時代だった。小浦くんがゴルフを始めた02年は、子供が練習場でボールを打つのも白い目で見られたほどだ。
しかし、10年前の03年、宮里藍がアマチュア優勝し、ライバルの横峯さくらと女子プロブームを巻き起こすと、ジュニアゴルフ環境に変化が起こる。
コカ・コーラ東海クラシックでツアー史上3番目の年少予選通過を果たした岡崎錬くん(14歳・美濃加茂市立西中)の父・昌昭氏(居酒屋経営)は、「息子がゴルフを始めた7年前はジュニアだけのラウンドはなかなかできませんでしたが、安いジュニア料金ができて年々プレーしやすくなりました」と振り返る。
ジュニア育成に力を入れるプロも増え、丸山茂樹がジュニア育成のために所有する58GC(栃木)からラーメン少女が育った。12年のヨネックスレディスでローアマに輝いた永井花奈ちゃん(16歳・日出学園高1年)の父・利明氏は、「私がメンバーの58GCでは、保護者同伴だとジュニアは無料でラウンドできるんです」と、ジュニア育成に理解のあるゴルフ場への感謝を口にする。
確かに、ジュニアを優待するコースは全国的に増え、家族会員などジュニアが比較的安価で入会できるコースも多くなった。
「理解のあるゴルフ場が増えましたが、それに甘えては駄目。息子には、より一層感謝の気持ちを忘れず、マナーも徹底することを厳しく言い聞かせています」とは、錬くんの父の言葉。
ジュニアのゴルフ環境が整い、さらにゴルフをよく理解した熱心な保護者(多くは父親)がそばにいて、いい選手が育つ。
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