国内女子の賞金シード権が確定。今年も悲喜こもごもの展開が待っていた。
いうまでもなく、賞金シード権は賞金ランク50位までに与えられるのだが、不動裕理が永久シードなので実質は51位まで。
めでたく初シードを射止めたのは、ルーキーで2勝の比嘉真美子(7位)や堀奈津佳(9位)ら8人。また、実力者の大山志保(
17位)、青山加織(48位)らが2年ぶりに復帰した。
当落線上で身を削るような闘いを演じたのは上田桃子(47位)、藤田幸希(50位)だ。上田は55 位でエリエールを迎えた。3週間前に肋軟骨を骨折し万全の体調ではないなか優勝争いを演じ、「朝から食事も喉を通らなかった」という重圧を乗り越え3位 タイに食い込んだ。この1カ月3試合で稼いだ賞金、なんと1282万円。見事シードに返り咲き、勝気で鳴る上田の目にも光るものが……。
藤田は同大会で予選落ちするとシード落ちするところだった。2日目の17番で沈めた起死回生のイーグルパットのその距離、7メートル。これでカットラインを1打上回り劇的に予選通過を遂げ、薄氷のシード維持を果たした。現在、闘病中でゴルフの師でもある
父・健さんに──。「何度も余命宣告をされた父が戻ってくるまでシード権を確保したかった」という願いが通じたのか。折しも2日目は藤田の誕生日。「ゴルフの神様が最高のプレゼントをしてくれた」と感涙にむせんだ。
一方、賞金シード権を失くしたのは上原彩子(52位)、諸見里しのぶ(71位)、斉藤愛璃(89位)ら9人。ただし、上原は来季も米ツアーが主戦場。諸見里は09年に同一年度に公式戦2勝を挙げて得た5年シードが来季まで残っている。
数字が分ける明と暗。今年も涙抜きには語れないドラマがあった。
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