米ツアーのソニーオープンで谷原秀人が優勝争いを演じトップ10入り(8位タイ)を果たした。好調な滑り出しの陰には、あるデータの裏づけがあった。
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注目ルーキーのプロデビューもアジアとなる
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かつてアジアンツアーは、日本人選手に限らず、豪・欧・米のツアー出場権のない選手にとっての〝出稼ぎ〟の場だった。ところが近年は、選手のレベルが上がるとともに、欧州ツアーとの共催で賞金額の大きな競技が加わり、そこで上位に食い込めば欧州ツアーのシード権が得られることで、選手層が厚くなった。
「日本にない経験が積めるのも大きいのですが、欧州ツアーとの共催が魅力です。その先に大きな世界が広がっていますし、欧州の強い選手とプレーできることも魅力です」(12月にプロ転向した大堀裕次郎)というように、世界に飛び出すチャンスを得たいと願う選手にとっては魅了的なツアーになったといえる。ここ数年、日本からの挑戦者が増えていたのは、こうした要因が大きいのだろう。
ところが、今年はその数が減少した。「参加費の値上げと、昨年から20%も安くなった円安がネックになったと思います」(アジアのゴルフ事情に詳しい吉岡徹治氏)
予選会の参加料が、昨年の1700ドルから2000ドルに一気に値上げされたのだ。円安も考慮すると諸経費も大幅に増えるので、二の足を踏む選手がいて当然だ。
そのうえ、「予選会からツアーに上がって(40位まで)も、翌年のシード権を得られるのは1%程度。確かに大きなチャンスはありますが、十分な覚悟と準備が必要な厳しいツアーです」(同氏)
もはや出稼ぎ気分で挑戦できるツアーではない。それでも、宮里優作らシード選手を含む100人近い選手が挑戦する。それがいまのアジアンツアーの位置づけのようだ。
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