キャデラック選手権でパトリック・リード(米)がタイガーの記録を抜き、23歳7カ月4日でWGC(世界ゴルフ選手権)最年少チャンピオンに輝いた。ちょっぴり老けて見える小太りのこの男が同世代を"リード"しているワケは?
キャデラック選手権最終日、2打差の単独トップのリードはタイガーの勝負服と丸かぶりの赤シャツ&黒パンツの出で立ちで颯爽と登場し、序盤3バーディを奪ってさらに"リード"を広げると、最終18番パー4では刻み倒してボギーにまとめ、1打差で逃げ切りツアー通算3勝目を挙げた。
実はリード、ルーキーイヤーの昨年8月にウィンダム選手権で初優勝を飾ったときも、今年のヒューマナチャレンジを制したときも、ともに逃げ切りVだった。
本人は「デビューしていきなり3勝はできすぎかもしれないけれど、アマチュア時代から実績を積み重ねてきたからね。やるべきことをやった結果さ。誤解を恐れずにいうと、自分はすでに世界のトップ5と肩を並べる力を持っていると思う」と、みなぎる自信をのぞかせた。
新たな不敗神話樹立に突き進むリードの守護神は、2年前に結婚した金髪の妻ジャスティンさんだ。妊娠中のため今回はロープの外から夫を見守ったが、プロテストからツアー初優勝までキャディとしてリードを支えてきた。首から下げた身分証にはいまも『ファミリー』ではなく『キャディ』と書かれている。
そしてもうひとつ、赤&黒のウェアにも大きな意味が込められている。「世界最強のタイガーを見て育ったからね。彼が赤&黒で勝つ姿はカッコいいし、ツキを呼ぶウェアだと思う」と、ツアー79勝の先輩の足跡にあやかったものだ。
もちろん、技術も確かで、キャデラック選手権では世界のトップランカーが苦しんだグリーンを快調なパットで攻略。丸い体とバネを生かしたスウィングは淀みなく、ピンチにはショートゲームが機能した。また、追われる立場の重圧のなかでも最後まで集中力を切らさないメンタルの強さも持ち合わせている。
世界ランク20位に浮上したリードは、やはり同世代を一歩も二歩もリードしている。
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