Tポイントレディスでは昨年、その先駆的な取り組みが話題となったネット中継。今年も新たな企画で充実が図られた一方、次なる課題も見えてきた。
昨年と違うのは、視聴するにはTカードとネットの登録(無料)が必要になったこと。その手間に、視聴数減少の不安もあったはずだが、なぜ?「確かにそれはありましたが、どういった方が見て下さるのか情報を得ることで、来年以降のより魅力的な番組作りに役立てたいと考えました。全体的に反響はよかった」(同社広報部)。関係者によれば、「サイトへのアクセス数は去年の数倍あった」という。
実際、今回も中井学プロや上杉隆氏、さらに最終日にはタケ小山プロが加わる賑やかな布陣で、番組内容もTV中継では難しい、時間をかけたインタビューや丁寧な技術解説など、ファンにはたまらない内容だった。また、オンデマンド配信も充実させている(試合後1カ月間、視聴可能)のもネットならでは。
一方で、ネット〝生〟中継には不可避な課題も顕在化した。今年は最終日もネット中継されたが、地上波テレビの録画放送に合わせ、途中3時間ほど中断したのだ。その際、スタジオでは「大人の事情」と説明されたのだが、この「大人の事情」とは、「地上波への配慮です」(タケ小山プロ)
ライブ中継を続けることでテレビ中継前に競技結果を知らせてしまえば地上波放送の価値を毀損するという判断だ。「正直残念です。スポーツ中継のあるべき姿ではないですから。でも、ネット中継が始まったことで、テレビ中継のあり方も少しずつ変わっていくと思います」とタケ小山プロは前向きに語る。
一方、今年のマスターズでは、テレビとネットの両方でライブ中継が見られることになった。ネットでは連日、前夜の午後11時~翌朝8時まで、注目選手を追うチャンネルやアーメンコーナーチャンネルなど、4チャンネルで大会をライブ視聴できる。
日本ツアーでもぜひ定着してほしい試みだ。
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