今年のマスターズをひと言で表せば、やはり「タイガー・ウッズのいないマスターズ」ということになろう。1995年に初出場してから、初めての欠場は、多方面にその影響が現れた。
欠場の発表直後、オーガスタの玄関口アトランタ空港のレンタカー店には、250人の予約客からキャンセルの連絡があったという。当然、チケット価格は暴落。経済誌『フォーブス』によると、初日の入場券の平均価格は欠場発表週以降は20%ダウンの997ドル。「最大で31%ダウン」したチケットもあったと報じている。
ブックメーカー(賭け屋)の打撃も大きかった。何といっても欠場発表前まで一番人気(7倍)で、「とにかくタイガーに投じる」というファンが少なくないからだ。そのため賭け率を破格の1000倍にしたブックメーカーもあったが、売れるわけもなく……。
さらに大きな打撃を被ったのがテレビ局。最終日の全米の平均視聴率は7・8%。2004年の7・3%以来のい数字。ちなみに、昨年は10.2%だった。
ただし、タイガーの不在ばかりが原因ではないだろう。例年なら「ここからが勝負」といわれるバック9に入ってから上位のスコアがほとんど動かない展開だったことも災いした。
日本人ファンにとっては、松山英樹の予選落ちも加わり、中継したTBSの平均視聴率は昨年の4.6%から3.3%に減少した。TB
Sは今年、「TOTAL24時間完全LIVE!」と銘打ち、放送時間を大幅増。さらに、ネットでの生中継も初めて導入。4チャンネルで前日深夜から放送する力の入れようだったのに……。
「深夜の放送はほぼ2%台ですが、同時間帯では最高視聴率の時間もありました。ネット中継は好評だったと聞いています。その影響でテレビ視聴率が下がるということはなく、皆さん、両方を見てたのでは?」(TBS広報)
「実況音声は1チャンネルだけだったが、他のチャンネルでもあると嬉しい」とか「途中で流れるCMが煩わしい」といった声(要望)も。
担当のデジタルコンテンツ制作部によれば「おそらく来年もするでしょうし、その場合はもっと楽しんでもらえるものにしたい」とのこと。さらなる充実を楽しみにしたい。
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