ゴルフ業界では数年前から「2015年問題」が叫ばれてきたが、あっという間にその年を迎えてしまった。各方面でさまざまな取り組みが行われているが、事情は変わったのだろうか。
2015年には団塊の世代が65歳以上になり、ゴルフをする機会も減る。その結果ゴルフ人口が減少する。これが「2015年問題」の骨子だが、加えて若者のゴルフ離れもあって、ゴルフ人口は減少し続けている。
こうした状況を憂えて、昨年話題をさらったじゃらんリサーチセンターの「ゴルマジ!20」。20歳なら9ホールのプレー料金や練習場での1時間利用が無料になるというもの(全国の参画コースと練習場に限る)。
「はじめてのごるふくらぶプロジェクト(はじごる)」を展開しているのはゼビオグループのゴルフパートナーだ。これからゴルフを始めたいと思っている人に中古クラブをプレゼントするというもの。昨年8月からスタートし、約半年で1万人に達したという。「ゴルフ人口の回復に寄与したかといえばまだまだ」として同社では第2弾として今月末まで同社指定練習場で利用できる無料体験券プレゼントを実施している。
これらの取り組みからもわかるように、やはり最大のネックは、「ゴルフはお金がかかる」ということだ。武蔵野美術大学北徹朗教授と㈱ネオマーケティングは先頃、「ゴルフ離れに関する調査」の結果を発表したが、ゴルフ離れの3大理由として「プレー代が高い」「用具が高い」「所得が減った」を挙げている。
美里GC(埼玉県)が現在実施している若者集客策も焦点はここだ。「ずっと満喫!若者ゴルフ」は、1組に1人以上30歳代以下の若者がいれば同伴競技者も割引の対象になるというもの。若者を一人誘えば安くなるというのだから、連れて行く側にも魅力的なサービスだ。
ゴルフ用具メーカーにも大きな課題で、たとえばダンロップスポーツは以前から展開しているゴルフ市場活性化プログラム「+G(プラス!ゴルフ)プロジェクト」の第4弾として、「ダンロップゴルフアンバサダー」を実施中だ。今回は社会人ゴルフサークルの活性化が狙い。
リオ、東京以後もゴルフが五輪の正式種目であり続けていくには東京大会の成功が不可欠。そのためにも、ゴルフ人口回復への取り組みがますます広がることを期待したい。
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