松山英樹より2つ歳の若いジョーダン・スピースの世界ランクトップ5入りがいよいよ現実味を帯びてきた。
先のバルスパー選手権でスピースはショーン・オヘア、パトリック・リードとの三つ巴のプレーオフを制し栄冠に輝いた。
スピースが21歳、リードが24歳とあって、33歳のオヘアは「自分がものすごく年取った気分になった」と思わず苦笑いしたが、好むと好まざるに関わらず、ゴルフ界は確実に世代交代が進んでいる。
もうタイガーがPGAツアーシリーズのビデオゲームのカバーに起用されることはないだろうし(6月発売分からマキロイにカバーをとってかわられた)、ミケルソンが毎週のように優勝争いをすることもなさそうだ。
そんななかマキロイより一世代後輩にあたるスピースが存在感を増している。
「去年はメジャー(マスターズ)でも優勝争いをしたし、ライダーカップにも出られたし満足なシーズンだったけれど、やっぱり勝てなかったことが悔やまれる」と語っていた彼にとって、バルスパー選手権での勝利は念願のツアー2勝目。史上86年ぶりの10代チャンピオンに輝いてからおよそ1年半。ようやくドリンキングエイジ(飲酒年齢)にも達し、文字通り勝利の美酒に酔いしれた。
しかもタイミングが絶妙。メジャー初戦のマスターズに向け、各選手が調整に余念がないなかでの1勝は値千金だ。
昨年のマスターズでスピースは最終日、一時トップに立ちながら、中盤以降バッバ・ワトソンに逆転を許し史上最年少メジャー勝利の夢はついえた。
「あのときはサンデーバック9に入った時点で、自分の勝利を疑っていなかった。本当に勝てると思っていたんだ」とスピースは真剣な表情で振り返る。
そしていま、サンデーフロント9の快進撃を再現できないはずがないと信じている。
目下世界ランク6位。錦織圭が着々とランキングを上げているように、21歳のスピースも夢のナンバー1に向け一歩、また一歩と歩を進めている。トップ5入りに向けたカウントダウンはすでに始まっている。
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