進入路からクラブハウスが見えてくると、大きな屋根一面に置かれたえんじのスペイン瓦が目に飛び込んでくる。
「そうですね、スペイン瓦もハウス全体の雰囲気作りには役立っているかも知れませんね。でも、まずびっくりするのは、入口ですね。大きな木の自動扉は、日本ではなかなかありませんので。それで、中に入ってワンルームの開放感で『あっ、南国に来た!』と思っていただくようです」(支配人・今堀用子氏)
フロントも長いカウンターではなく、机のような感覚で座って記帳する。フロント係とゴルファーとの距離も自然に近くなり、メンバーなど昼食後にもフロントにきてスタッフとの会話を楽しむサロン的な場所にもなっている。
また、正面は全面ガラス張りでコースが見えること、階段がなく、バックヤードとコンペルーム、ロッカーなど以外にも目立った壁もない。また、高い天井や、コンクリートの打ち放しと鉋のかかっていない製材したままの木のぬくもりといった内装と十分な採光も、開放感をより強くさせている。
南国ムードを高めるもうひとつの演出が花。ティラウンジやロビー周り、周囲の壁の照明部分にも飾られている。ちなみに地元が造園の町のため、この草花はリースでゴルフ場側は手間いらずという。
構造的な工夫は、他にもある。あえて内天井を張らなかったこともあり、冬場の結露もない。また、表側の扉が閉まってから、内側の扉が開くように入口の風除室を長くとったことで、冬場の冷気や夏場の暖気の侵入を抑えている。