進入路から見る駐車場側の外観では、煉瓦色の建物の大きさが目立つ程度である。しかし、コース側からの外観は、大きな出窓と円柱形出入口建物が、スコティッシュな城のイメージを彷彿とさせる。間違いなく、豪華さを感じさせる外観である。
「接待のできるゴルフ場ということで、ハウスもそのコンセプトに準じたものとして設計されました。ただ、華美に走ることは慎み、ゴルフの伝統と落ち着きを感じてもらおうという姿勢だったと思います」(支配人・岡義博氏)
表玄関を2階とし、レストランなどが3階、コース側出口を1階とした3階建てだが、段差のある地形を上手に使っているので、どちら側から見ても違和感はない。
内部構造としては、2階中央のロビー・エントランスは吹抜けで、3階はその吹抜けを囲むように回廊があり、周囲にレストラン、コンペルーム、VIPルーム、厨房などが配置されている。レストランは外部委託なので、時間が遅くなっても、レストランスタッフは厨房からそのままハウス外に出られるようになっている。1階は、男子ロッカーや浴室、ショップなどのスペース以外はバックヤード。カート庫や機械室が半分以上を占める。したがって、3階建てといっても、それほど広大な空間が内部にあるわけではない。それだけに、必要以上に天井の高い不効率なハウスではない。表玄関からロビーに足を踏み入れても、開放感より、一種の緊張感と落ち着きを与える。
また、1階~3階への移動については、エレベーターがある。多くの場合、ハウス内エレベーターは設備としてはあるものの、建物奥にあり、利用頻度が低くなってしまっているが、同GCの場合は、階段そばに設置され、動線もいいために現在でも頻繁に利用されている。
さらに、接待コースのハウスに必ずあるのがVIPルーム。同GCには3室あるが、それがいずれも3階回廊に面していることもあって、メンバーのバースデープレゼント企画に利用してもらっている。有名無実となりがちな施設の有効利用である。