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谷原秀人VS矢野東 徹底比較

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谷原秀人の2008年を振り返る

2003年「マンダムルシードよみうりオープンゴルフトーナメント」でツアー初優勝を果たした谷原秀人は、04年も1勝し賞金ランキング7位に食い込む活躍をした。翌05年は米ツアーに挑戦したが、結果を残せず帰国。この年の日本ツアーでは優勝こそなかったが、シード権は確保。そして06年はシーズン2勝、さらに初挑戦となる海外メジャー「全英オープン」で5位に入り日本のゴルフファンにその名を知らしめた。
昨年も2勝を挙げ、賞金ランクは06年の2位には及ばないものの4位に入り、片山晋呉、谷口徹らに続く次世代選手ではもっとも賞金王に近い選手となった。
今季もすでに3勝し、シーズン終盤の逆転を狙っている。

シーズン直前のクラブ契約変更

2008年シーズン開幕前、谷原秀人はすでに話題の中心にいた。長年クラブ契約を交わしていたメーカーに別れを告げ、プロギアとの電撃的な契約を発表した。
繊細な感覚を大切にするプロゴルファーにとって、クラブを代えることは大きな決心がいる。
「日本で賞金王を獲り、海外ツアーで戦うため」。
駆けつけた大勢の報道陣を前にして、決断の理由を谷原はこう説明した。ドライバーからアイアン、ウエッジ、ボールに至るまで一新したギアとともに、谷原の新たなシーズンが始まった。

今季1勝目は、出場5戦目にして早くも訪れた。
石川遼がディフェンディングチャンピオンとして出場し、まさに“遼クン一色”で始まった「マンシングウェアオープンKSBカップ」。初日に首位タイ、2日目には単独首位に立ち、完全に主役の座を奪い取った。3日目を終えて、2位に6ストローク差をつける独走態勢で最終日へ。最終的には3ストローク差に詰め寄られたが、初日から首位を譲ることなく完全優勝を果たした。「早い内に1勝できたので、これからバンバン行きたい」。
今季の活躍への期待を抱かせる、充実のシーズン序盤を送る。                         

賞金王、そして海外へのリベンジ

その後、「三菱ダイヤモンドカップゴルフ」で6位タイ、「サン・クロレラ クラシック」では2位など、
優勝こそ逃すものの上位フィニッシュを続け、着実に賞金を加算。その中で、賞金ランクトップを走る片山晋呉を1,200万円差の3位で追う中で迎えた「アジアパシフィック パナソニックオープン」。
優勝賞金4千万円と高額な今大会で、3日目を終えて矢野東とともに通算12アンダーで首位に並ぶ。
最終的には矢野を1打差で振り切り、今季2勝目を達成した。
これで片山を追い抜き、今季初めて賞金ランク1位に浮上。
「相当に嬉しいですね。早く下との差を離したい気持ち。あと1勝すれば賞金王も近づいてくると思うので、最低でもあと1勝を狙います」。
トップに立ち、いよいよ“賞金王”という言葉が現実味を帯びてきた。

同時に谷原を安堵させたのが、今年7月に結婚したばかりの絢香さんに、結婚後の初勝利をプレゼントできたこと。
「結婚してダメになったと言われたら、彼女に対して申し訳ない。常にプレッシャーを感じていたけど、これで吹っ切れた感じです」。
ゴルフへの知識は少ない絢香さんだが、谷原が出場する試合にはコースへと足を運び、谷原の1打1打をメモに残している。「ショットがブレていることに気づかせてくれるし、いつも笑顔で励ましてくれる」と、陰ながら谷原をサポートしてきた。その熱意を身近で感じてきただけに、谷原もホッと胸を撫で下ろしたに違いない。

さらに、ハワイに在住していた絢香さんは英語が堪能なこともあり、海外ツアーへの挑戦を視野に入れている谷原にとっては心強い存在だ。過去に米国ツアーに参戦し、結果を残せず志半ばで帰国した経験がある。「前は散々だったので、リベンジしたい気持ちはあります」。
これ以上ないパートナーを得て、開幕前に目標に掲げていた賞金王、さらに海外ツアーを視野に入れた谷原の戦いは続く。
今シーズン終了時にどのような結末を迎えているのか、興味は尽きないところだ。

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