2004年の登場以来、絶大な支持を得ている「ディアマナ」。第1世代では「青マナ」、「赤マナ」、「白マナ」の愛称で同ブランドの地位を確立。2008年11月に発売された「カイリ」からは、第2世代へと発展していった。前作の「カイリ」は、シャフトが主張せず、全てのスイングエネルギーをボールにダイレクトにボールに伝えるシャフト。
これに対し、「イリマ」はシャフトが加速してボールを飛ばしてくれる「走って弾く」モデルに仕上がっている。この挙動を実現させたのは、第2シリーズの特徴ともいえる「マルチディメンショナルインターレイ設計(M.D.I)」を採用した点が大きい。この設計には様々なメリットがある。まず、薄いカーボンシートを多次元に配置することにより、曲げ剛性とねじれ剛性を最適化できる点。また、炭素含有率が高く、余分な空間がないので補強効果も高いのも特徴だ。
さらに、層の厚さが極めて薄いので、チップからバットまで適材適所の配置が可能に。そして、一方向炭素繊維プリプレグで構成されており、高弾性炭素繊維の弾性を高い効率で発揮できるのも「M.D.I」のメリットといえる。
曲げ剛性分布を見てみると、チップ部は剛性を低くし、しなりと弾きを強化していることが分かる。中間部は剛性を高め、切り返しでのスイングエネルギーロスを軽減。そしてバット部は自然なしなりを感じられるよう設計されている。「M・D・I」により設計された曲げ剛性により、ムチのような鋭いしなり戻りを生み、ボールを弾き飛ばすことが可能になったのだ。
「M・D・I」により設計が自由になったのはねじれ剛性も同様だ。バット部は、より自然にねじれを感じられる設計に。一方、チップ部は剛性を高くすることで、弾き系シャフト特有の暴れ感や当たり負けを払拭している。第2世代の特徴といえる「M・D・I」を絶妙に採用することにより、曲げ剛性・ねじれ剛性を最適化し、高いパフォーマンスを発揮する「イリマ」。
“弾くのに暴れない”飛距離と安定性を両立したモデルといえるだろう。このシャフトがマッチするのは、しなり戻りを感じながらヘッドを走らせたいプレーヤーやシャフトの力でボールを飛ばすスインガータイプのプレーヤーだ。