「元々素質はあった。しかし、この2年間でここまで成長するとは・・・」上田桃子が史上最年少賞金女王になり、新年を迎えた合宿初日にコーチの江連忠は感慨深く独り言のようにつぶやいた。米ツアー挑戦という上田の夢に向かって、日々行われてきた練習方法は、上田が米国に渡っても忘れることなく行われるよう、江連コーチが上田にも最認識させるかのように6つのポイントを紹介してくれた。
右足は飛球線と平行に左サイドに摺る
重くて長いバットを振ることで、体全体を使ったスイングリズムを作る。上田桃子のスイングを指導してきた江連忠コーチは「桃子のスイングの特長として一つ上げるなら、右足の動きが凄く良いこと」と言う。テークバックでしっかりと右足に乗った重心をインパクトに向かって左の股関節に移動させるときに、自然と右足は飛球線と平行にスライドするのがポイント。この動きが方向性の良さに繋がっている。
速いスイングを繰り返し腰のキレをつける
先ほどの長くて重いバットとは対象的に、短いクラブを素早く振ることで腰のキレをつける練習がこれ。短いといっても、ゴルフクラブに比べると数倍重いので、簡単には振りぬくことは難しい。大きく振りかぶらずに脇を閉めた小さなテークバックから、インパクトに集中。振り切ったら力を抜かずに、すぐにスイングに入ることで腕力も備わってくる。
「周りの人に支えられて、世界に羽ばたきたい」 8月の時点では賞金ランキング2位につけ、最年少賞金上を目指して戦っていた上田。その先に目指す世界に向けた意気込みを語ってもらった。
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軽いクラブでスイングプレーンを安定させる
クラブを逆さまに、クラブヘッド側(ホーゼル部)を持った練習方法。このようにクラブを持つと、シャフトの重さしか感じないので、非常に軽く感じるはず。この状態でスイングを行うと、早くスイングすることは出来るが、スイングの軌道は不安定になりがちだ。インパクトゾーンにティペグを立て、目標を定めることで、自分のスイングプレーン(軌道)が安定しているかを計ることができる。
ゆっくり振ってスイングを安定させる
「シーズン中もこの練習は取り入れています」という江連コーチ。このドリルもスイングを安定させるためのもので、ゆっくりスイングすることで、自分の悪い癖を見つけ矯正するのが目的。ゆっくりとテークバックすることは慣れている人も多いと思うが、ダウンスイングからインパクトにかけても一定のスローテンポで打つことは簡単ではない。アマチュアの方にも参考になる練習法だ。
上田桃子、諸見里しのぶ、そして現在国内男子のトッププロとして活躍する片山晋呉など多くのプロを育ててきた江連忠の動画レッスン。
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リズム感を出し、グリップ力を安定させる
手前に少し高いティアップしたボール、その先に低くティアップしたボールを並べる。
1球目はテークバック時に全体重を右足に乗せ、ステップを踏むように、左サイドに踏み込んでボールを打つ。2球目は、そのリズムを大事にしながら普通にアドレスして打つ。ステップ打ちはリズム感だけでなく、頭の位置やグリップ力、さらには手の軌道も確認できる練習方法だ。
ゴムバンドを使って右腕の余分な動きを制御
上田桃子「私の癖なんですが、トップからインパクトに向けて右のひじが開いてしまうので、右脇から外れないように矯正するため。それと、テークバックでもひじが体よりも後ろに引いてしまう癖もあるので、体のラインから外れないようにするためのトレーニグです」。同じような悩みを持つアマチュアはぜひ参考にしてみよう。
上田桃子が江連忠ゴルフアカデミーに入門して以来、練習ラウンドを行っているのがこの「六甲国際ゴルフ倶楽部」。東西36ホールの雄大なコースに挑戦あなたも挑戦して見よう!
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「アドレス時の下半身の安定感が誰よりもしっかりしている」by江連。2005年、プロテスト合格時の上田桃子のスイングは、江連コーチにとって指摘すべき点だらけだった。しかし、このようなドリルを繰り返し、練習を重ねることで史上最年少賞金女王の座をつかんだ。そして08年、更なるレベルアップで米ツアー、そしてメジャーを戦っていく。