07年、樽前で行われた日本女子オープンで16位に入ってローアマチュアを獲得した森田理香子は、その資格でプロテストはファイナルからの出場となる。「最後から受けたかったから、凄く嬉しい」とはにかんだが、今年の目標は「(トップではなく)プロテスト合格です」と、意外な謙虚さを見せる。
「みんな仲良く通れたらいい」。ナショナルチームで共に海外試合を経験した仲間だから、「負けたくないけど、応援もしたい」のが本音。マイペースでおっとりしている、そんな母・とみ恵さんの娘評もうなずける。
祖父の経営する練習場で、8歳からゴルフを始めた。同じ練習場に来ていた当時中学生の永井奈都がプロを目指していることを知って、自分もなりたいと思った。初めは練習場に出入りする上級者に教わっていたが、メキメキと腕を上げ、すぐに彼らを超してしまった。
そんな中学の終わり、大きな出会いに恵まれた。「たまたま犬の散歩コースにあった」という足立香澄が練習場に立ち寄った。母の粘り強い勧誘と、娘の「黙ってずっと見ている」真摯な瞳に打たれた足立は、最初は弟子をとるつもりは無かったが、結局面倒を見ることになる。初めて一緒にラウンドをした足立の感想は、「この子はなんでこんなクラブを使っているの!?」森田のパワーにクラブがマッチしていなかったのだ。
それからは、四六時中一緒にいる。ゴルフも一緒、買い物も一緒、エステも一緒。森田にとっては、「お母さんみたいな人」。そんな足立の指導を受け、今では7種類のアプローチが打てるようになったという。森田の理想は、飛ばしてスコアが伸びる選手。「飛ばすだけなら誰でも出来るから、香澄さんの技を使って寄せてワンパットで上がりたい!」プロの厳しい世界も、強い絆で結ばれた二人三脚で乗り越えていく。