INTERVIEW
ジャガーFペース
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プロゴルファー木戸愛インタビュー
Vol.9 変えることなく、しかし変わりたい
2008年にプロ入り後、翌年にステップアップツアーで優勝し、
2012年にLPGAツアーで初勝利を挙げるなど、着実に実績を積み上げてきた木戸愛プロ。
ここ数年は安定した成績でシードを獲得しており、2勝目が待たれる。
プライベートでは音楽を聴きながらドライブするのが好きだという彼女。
ジャガーのブランド・アンバサダーとして白いFペースとともにツアーを戦う。
誰もが同じようにクラブを振り抜くが、しかしそのシルエットの僅かな違いにはっきりとした個性が宿る。ひと際長く伸びた腕、フォロースルーが美しい弧を描く、木戸愛プロである。
高いプレッシャーに晒されることが多い女子プロゴルファーの中には、トーナメント中ナーバスな表情によって周囲に見えない壁を作る選手も少なくない。だが木戸プロは笑顔を絶やすことなく、ショットを放つ刹那だけ、獲物を狙う眼を見せる。高い集中力と確固たる自信、彼女はオンとオフの切り替えがうまいのだろう。
──木戸
「試合中はスイッチ入っていますね。入り過ぎているかな、と思うくらい。ずっと集中を切らさずに回れれば、スコアも良くなりますが、実際に試合中ずーっとは難しいです。ゴルフは時間のかかるスポーツなので、試合の中でもオンオフをうまく使い分けられる人が本当に上手い人だと思っています。その部分が私の課題かもしれません」
木戸プロは謙遜して言うが、それがプロデビューから10年間、ひたむきにゴルフと向かい合ってきた彼女が得た、ひとつの真実なのだろう。かつて若手のホープとして騒がれた木戸プロもすっかり中堅のポジションを得ている。テクニックのみならず精神的にもタフでなければ、シードを得ることなどできないだろう。
──木戸
「同スコアで競っているようなシチュエーションではどうしてもグループ内の会話は少なくなりますけど、私自身はあまり緊張したりはしません。最近はそういう空気を楽しめていると思います」
週末毎に訪れる戦いに備え、心と体のコンディションを目一杯のところまで徐々に上げていく。そんな彼女の1日のはじまりと終わりに、本当の意味でリラックスをもたらすことができる存在は、愛車だけなのかも知れない。アルティメットブラックのジャガーFペイス。そのステアリングを握り、飛び切りの笑顔を湛えて現れた彼女を見ていてそんな気になった。
──木戸
「ジャガーFペイスを運転することは自分にとって重要な気分転換になっていると思います。長距離じゃなくても、ホテルからカントリークラブまでの短い道のりでも、私だけのプライベートな空間で好きな音楽を聴いたり、物思いに耽ったりする時間がスイッチのオンとオフになっていると思います。プライベートでドライブしたりするときには運転自体が楽しいと思えるし、でも疲れている時のFペイスは乗り心地がとっても良く感じられて気に入っています」
ジャガーFペイスは大きく主張するタイヤと、高めの車高を持ったSUVだが、ジャガー自身はそれを「パフォーマンスSUV」と記している。実際にそのドライブフィールは、ドライバーが望めばスポーティに、疲れている時にはゆったりとラグジュアリーに、まるで生き物のように設えを変える。そんな二面性こそがスポーツカーとも既存のSUVとも異なる、しかしいかなる時も凛とした存在感を放つFペイスというクルマの本懐なのだろう。
ジャガーの故郷、イギリスでは襟を正して臨むフォーマルと激しく競い合うスポーツを対極と捉えてはいない節がある。競馬のロイヤルアスコットやポロ競技、ハンティングやテニスに至るまで、イギリスで愛されるスポーツは、プレイヤーのみならず観客にもマナーとドレスコードが求められる。このため熱い戦いが文化として成熟していくのである。ゴルフもまた、礼儀正しく、しかし恐ろしいほどの集中力を要するイギリス発祥のスポーツとしてある。その精神的なスタンスがジャガーFペイスのそれと似ているのは、偶然ではないのである。
中堅のポジションを確立し、落ち着いた雰囲気でインタビューに答える木戸プロだが、しかし柔らかい言葉の端々にはゴルフへの飽くなき情熱が見え隠れする。
──木戸
「自分のプレースタイルというか、軸のようなものはしっかりあると思うので、そこを変えることなく、でも少しずつ変わっていきたいですね。そういうのイギリスっぽくないですか?」
普段Fペイスを颯爽と乗りこなす木戸プロは、そのドライブフィールに込められたメッセージから、イギリスという国を理解しているのかもしれない。強くしなやか、そして華がある。木戸愛には黒いジャガーが良く似合う。