No.282 『勇気の1割オーバー』
2/18更新
タイガーの強さとは・・・
塾長、ひとつだけ教えてください。タイガーの強さはいったいなんなのですか?
(東京都・29歳)
勇気と技術のパッティング
飛距離あり、飛距離の方向性持ち、攻撃的性格に長け、パッティング技術抜群。勝つ要素の総てを持つタイガー・ウッズ。
今年の全英オープン、タイガー・ウッズのプレーを追ったが、パッティングの上手さが際立つ内容であった。10メートル以上、20メートル未満の距離感が見事だった。カップ周辺、50センチの位置に集まっていた。
10メートル以内は狙いの距離であったのか、カップオーバーのパッティングに徹していた。その距離の二割オーバーしていた様に思う。
自信持って打って来る距離を持った者は強い。ウッズは10メートル以内を己の距離としていた。フラットな、ラインの読み易いグリーンではなく、右と左、上り下り傾斜の入り混じったセントアンドリュースグリーンでの10メートル、ウッズは自分一人でラインを読んでいた。
私の見た限りに於いて、キャディと相談しているシーンはありませんでした。確認の為にキャディを呼んでいたシーンが三日間で4回。
10メートルの距離の時、距離の1割に当たる1メートルオーバーに打つ者は強い。勇気の1メートルオーバーである。勇気とは距離の1割オーバーの距離に宿るものだ。そして、1割オーバーの1割、要するに10センチの方向性の誤差が技術であろう。
10メートルの距離の時、1メートルが勇気の証しとなり、10センチが技術の証し。ウッズは5メートルは50センチオーバーに打ち、5センチの誤差以内に球を入れていた。全英に関する限り、ウッズはパッティングで勝ったと思います。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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