No.447 『アプローチを磨く鍛練の手順』
7/7更新
ボールを巧く転がすにはどうすればいいでしょうか。
私の仲間でランニングアプローチがとくに巧いシングルゴルファーがいます。彼は3番からサンドウェッジまでの10本を状況別に使い分けてしまいます。距離感がよく、ボールの転がりがすこぶるいいのです。私はもうボールを止める力はないので、転がしを覚えたいのです。すぐに使いこなせるランニングアプローチの術を教えてください。
(静岡県・54歳)
フィニッシュ勘から鍛えなさい
アプローチではバックスウィング勘、ダウンスウィング勘、インパクト勘、フォロー勘、そしてフィニッシュ勘の5つの勘の鍛練は必要。勘と言っても大雑把は勘作りでは適当な場当たりの結果しか生じないものだ。
勘の鍛練には丁寧さが必要となるが、正しい手順を踏まないと5つの勘を伸ばし行く事、難しい。鍛練の手順を間違えると丁寧にやっている様でも丁寧さが活きて来ないものだ。将棋と同じで手順前後では結果、大きく異なって来る。
アプローチ功者は鍛練の手順を間違ってはいない。人の倍の練習したとて練習の結果、出て来ない人は手順を間違っている。手順、間違えなければ出る結果は素直に顔を出す。
転がしのアプローチ巧者を目指すのであればフィニッシュ勘から鍛えに入るべきと思う。
勘は宿りの型を求める。故にフィニッシュ型を作らねばならぬ。プロのスウィングのどこが模倣出来るかと申せばフィニッシュ型。
多くのアマの方はプロのインパクトを模倣しようとするが、フィニッシュ型を求め行けばフォロー型は似て来るものであり、フォロー型、模倣出来ればそのプロのインパクト型、己が型となり行くものだ。直にインパクト型、模倣に行っても模倣するは困難。
何ごとも手順はある。手順、間違えると求めても得られる結果、非である事、多い。手順の正しさを教えるのが理論である。理論のない指導には手順前後、多く生じる。
貴兄は転がし巧者のフィニッシュ型から学べ。フィニッシュ時の両腕の型、体重のかけ様、目線の方向、そしてその人の顔つき迄も真似るがいい。その人のフィニッシュ時の人間性をも真似た方がよい。右手首の角度の真似も必要。右手首の角度、球を上から叩いた余韻は残している筈。
次にフォロー型への模倣に入るべきであろう。打った後の雰囲気が似てるなァ、と周りの方から言われる様になればしめたもの。その段階で貴兄は転がしの巧者の体技心に一歩踏み込んでいる。
すぐに使いこなせる転がしの術と貴兄は求めるが、性急なる欲求は不安と焦りと諦めを友とするものだ。それでも何とか今すぐの転がしをと欲するのであれば9番アイアンで転がすがいいだろう。
球を右足の前に置き、上から叩いて行けばよい。上からコツン、です。ただ、実際に打つ前に3回の素振りは必要。3回素振りして、コツンと上から打つだけ。アプローチとパッティング時のヘッドアップは避けたいが左肩に意識を置けば5割方ヘッドアップは防げます。
左肩、左首筋、左手首の三位一体を意識すればアプローチ時のヘッドアップは9割方防げるものです。お試しあれ。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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