多くのプロゴルファーに指導を行っていますが、実はスイングのアドバイスはほとんどしません。選手たちは球を打つことは元々上手ですから、それよりもゴルフの考え方やマネジメントのアドバイスをする時間が長くなります。ショット力という面では、トップで活躍する選手とそれ以外の選手にはそれほど大きな差はないと考えています。しかし、試合で活躍する選手は、自分のスキルを理解し、コースと調和して100％のパフォーマンスを発揮することができます。つまり「ゴルフIQ」ともいうべき、マネジメント力が高いのです。

マネジメントはプロよりもアマチュアゴルファーの方が大切な要素です。ショットの精度が高くない分、マネジメント力を鍛えることでスコアをまとめやすくなります。ですから、はじめに取り組んでもらいたいのは、番手ごとの自分のキャリーを知ることです。

「7番アイアンでキャリーはどれくらいですか？」と質問すると、正確に答えられる人はあまりいません。例えば、グリーン手前にバンカーがあり、ピンが手前のエッジから数ヤードの所に切ってある時、「キャリーとランのトータル飛距離は150ydくらい」という認識しか持っていないと、バンカーにつかまる可能性が高くなります。一方で自分のキャリーの飛距離を把握していれば、ハザードを避ける戦略を立てることができるわけです。

キャリーの距離を知るには、レーザー距離計が必須です。ピンまでの残り距離を計測してからショットを打ち、グリーンをとらえた際にできた自分のピッチマークを見つけたら、歩測で計算して正確なキャリーを知っておくことが大事です。

また、私のスクールに通うレッスン生には、マネジメント力をアップするために「全ショットのライ、残り距離、風向き、どんな考えで球を打ったか、どんな結果だったかをメモしてください」と伝えています。ラウンド後にプレーを振り返ることで自分のスキルを把握でき、次のラウンドまでの間にどんな練習をすべきかが見えてくるからです。

ただ、一般のゴルファーはショットごとにメモをとるのは大変だと思います。そんな時に、キヤノンのレーザー距離計「PowerShot GOLF」の録画機能を使えば、距離を計測しながら必要な情報を声を吹き込むことで、コメントとして残せるので、わざわざメモ書きをする必要がありません。プレー後の振り返りに使えるので、とても便利だと思います。

「PowerShot GOLF」の魅力は、通常の望遠鏡倍率6倍と倍率12倍(デジタルズーム)をワンタッチで切り替えができるズーム機能が搭載されていることです。これまでのレーザー距離計では、「グリーンエッジのマウンドまでの距離を測りたい」という時に、レーザーが当てづらかったりしました。ただ、ズーム機能を使うと狙いたい場所が拡大されて表示されるので、ピンポイントで当てられるし、計測もスムーズになります。

動画撮影機能も通常のレーザー距離計とは違う使い方ができます。通常、飛球線側からカメラ撮影や動画撮影をすると、距離が近くて危険が伴います。しかし、望遠で撮影ができるため、いつもと違うアングルから撮影するという使い方もできます。ショットを打つ人もカメラを意識せず、いつも通りのルーティンでアドレスを取って打つことができるので、近くから撮影した時には映らない癖も見えてくると思います。

コンパクトで軽量というのも、とても良いです。私はあまり手が大きくないのですが、そんな私でも手の平に収まりやすいサイズ。ズボンの前側のポケットに入れながらスイングしても違和感がありません。

個人的な感想としては、電池式ではなく充電式というのもうれしいです。充電式なら、USBケーブル(Type-C/別売)さえあれば、充電できるのでコストもかからず経済的です。

ファインダーがめちゃくちゃキレイという点も皆さんにお伝えしたいポイントです。このクリアさは言葉で説明してもなかなか伝わるものではないので、ぜひ手に取って「PowerShot GOLF」の中を覗いてもらえればと思います。