No.265 『バンカーで距離を作る』 10/14更新
砂の取り方で距離を出す?
マスターズレポート読ませていただきました。塾長ならではの視点から見たプロの世界を堪能いたしました。その中に「シンはバンカーショットにおいて砂を厚く取ったり、薄く取ったりで距離を作るタイプの男だ」の一文がありました。砂質の距離の打ち分けについての解説はありましたが、砂の取り方、打ち分け方を詳しくレッスンしてください。
(神奈川県・29歳)
スウィング弧での加減がやさしい
バンカーショットの基本には二通りあります。一つは砂の取り様で距離を作る基本。もう一つはインパクトの力加減で距離を作る打ち方。同じスウィングの大きさ、同じ力の入れ様の中でボールの飛び行く距離を作るのがシンの打ち方であり、欧米のプロの間ではこの打ち方が主流となっている。
日本ではピン迄の距離に合わせてインパクトの力を変えて行く打ち方が主流。いずれもバンカーショットの基本であり、その是非を問う必要もないが、軽い砂では砂の取り様で距離を作るのが最善と思われる。
欧米はバンカーショットを力で出すものではなく、スウィング弧で出すものと考えて来ている。欧米でも日本でも過去の論は力(ちから)出しを勧めた。力出しのバンカーショットは難しい修練が必要となる。
その点、スウィング弧で出すバンカーショットは易しい。同じスウィングの大きさの中で砂を厚く取ったり、薄く取ったりしてピン迄の距離を作る打ち方は力出しに較べれば10分の1の練習量で見につくものです。
打ち込む打ち方は力出しであり、振り抜く打ち方はスウィング弧出しなれど、スウィング弧出しのバンカーショット練習は簡単。アドレス時の両足つま先を逆八の字、つま先の開き45度にします。体重は体の中央部分、顎の真下と考えて貰いたい。ボール位置は顎の真下と左足踵の中間。この位置が基本位置です。
スタンスの広さはリラックスして歩く時の歩幅。ヘッドは飛行線に対して30度の開きを基本とします。そして、スウィングは左肩を支点として振って行くのです。
砂を厚く取る時は短い距離、薄く取る時は長い距離を作る打ち方。左腕地面に平行のショートスウィングトップ位置より、右腕地面平行ショートスウィングフィニッシュ位置のスウィングで砂取る深さを打ち分けて下さい。
アドレス時、左肩を少しだけ前に出す構えをするか、少しだけ落とした構えをすれば砂は厚く取れ、左肩を少しだけ引いた構えか、浮かした構えでスウィング始めれば薄く取れます。
アドレスで砂の取り方が決まって行くのだから難しくはない。やってみれば実に簡単。バンカー苦手意識も簡単にフッ飛びますぞ。これ以上の説明はNHK教育テレビで放映中の「坂田信弘のザ・ゴルフレッスン」を御覧あれ。それでは再見。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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