No.279 『一発でフックを直す』
1/27更新
フックが出始めた・・
3年続いたスライス病が3カ月前に治りました。クラブを換え、グリップを変え、スウィングを変え・・とにかく何でも取り組んだ成果だと思います。しかし、右曲がりがなくなったものの、最近急に、大きく左に曲がり始めてしまったのです。これを治すのも、また1からいろんなことにチャレンジしなければならないのでしょうか。一発で左曲がりが治る方法を教えてください。
(三重県・42歳)
理論も実践も単純がベスト
ゴルフってのは恋心の強い女性の恋の途に似ているのではあるまいか。惚れた男を追い、惚れられた男に追われて、変節の中で巡り行く恋の途。惚れた男の変節に戸惑い嘆き、惚れて来た男の一途さに頭を抱える恋心強い女性。
貴兄は3年間、スライスに悩んだ。そして今、フック球に悩んでいる。
勝負を意識する程に悩みは増し、悩み深まり行くと思う。勝負を意識した時、誇り、自尊心、見栄等が顔を出すものだ。
三流半のプロである私も三流半の誇り、自尊心、見栄は持っていた。悩みが先か、それとも誇り、自尊心、見栄等が先かは人それぞれの領分なれど、上手くなりたい、強くなりたい、勝ちたい、と三つの「たい」が重なり合えば練習出来るものだと思う。
練習すれば、当然、悩みは生じる。練習して悩み生じ、悩みを解消し克服するには練習しかない、の状況下で上達して行くのがゴルフではあるまいか。
練習の量と質、悩みの量と質も人それぞれと思うが、貴兄は悩んでいる。悩み消えることはあるまい。悩み続けて行くのが上達の底辺にある様にも思える。悩みし貴兄は上達途上の人。
一発でフックを直す方法を問うて来られたが、その方法はあります。バックスウィング始動時、ボール位置より20センチ離れたところにクラブヘッドを置く。持つクラブはドライバー。ティの高さは普段の高さの半分にして貰う。
ボールの右、20センチの地面をポンと叩く。次に叩いた位置より10センチ離れた位置、ボールの位置からは30センチ離れた地面をポンと叩く。次に二度目に叩いた位置より5センチ離れた位置、アドレス時のボール位置より35センチ離れた位置の地面をソールでポンと叩いて下さい。そして、バックスウィング始動。
この手順でフックは出なくなりましょう。フックを打ちたい方は5センチ、10センチ、30センチと距離を離した地面叩きをやればよい。フック球とスライス球の出る原因は東と西、南と北の位置関係。フック出したきゃ、スライスの出る方法と逆の事をやりゃいい。それが理屈と言うものだ。
実に単純、理論も実践方法も単純をベストとしよう。複雑なやり方は、頭は理解せず、体はついて行けない、の状態になりましょうぞ。
悩みを少なくするのが理論であり、苦しみを軽くするのが理論。貴兄は今のうちに基本を身につけよ。
ショートスウィングをやれ。今のままでは大きく曲がる球ばかり打つゴルフになろう。基本は直線の球を生む。基本の分かっていない頃は経験を重ねる中で大きく曲がる球の修正が行われて来た。その時代は理論の進化と共に終わっている。基本が総て。
貴兄はショートスウィングで練習した方がよい。健闘を祈る。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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