No.289 『ドローボールのすすめ』
4/8更新
2つの球筋が必要ですか?
「コースなりにドローとフェードを打ち分ける」といいますが、シングルゴルファーには必要な技ですか? 現在HC9の私ですが、フック打ちです。球筋は一方向です。ドローといえるしろものではありません。しかし、片手シングルを目指すなら2つの球筋を覚えたほうがいいのでは!? もし必要であればフック打ちがフェードを打つ方法を教えてください。
(大阪府・36歳)
ドローボール一筋でいきなさい
左右の打ち分けは必要ない。ましてや、ティショットに左右の打ち分けがいるものか。
ティショット時、ドロー球筋を持つ人の方が精神的にも技術的にも有利となる。飛距離の欲しい時、ドロー球筋の方は強振するだけでいい。フェード球の方は球筋を変えていかねばならぬ。何故ならばフェード球筋よりドロー球筋の方が距離を生むからである。
もちろん、ドロー球質は向かい風、横風の影響を受けにくくはあるし、フォロー時には転がりの距離も生まれる。フェード球筋の方は球を変えて、その後に強振して行くという手順がいる。球筋を変えるという余分な手順ひとつ増える分だけ、ミスは起こりやすくなって行く。
フェードで飛距離を出すには体力がいる、筋力がいる、骨格の丈夫さがいる、練習量がいる、若さがいる、と何でもいるの状態が必要だ。アマチュアの方にその時間はなかろう。
ゴルフで喰っているプロでさえもそれだけのものを揃えるのは大変。親から貰ったもの、自分の努力で得たもの、の2つを揃えるのは大変な事だ。
飛距離を出すにはドローが有利である。ドローの打てるスウィング弧1つありゃいい。ドロー打てる弧はショートスウィングで作れる。簡単な事である。
貴兄は何故にフェードボールを欲す? 狭いホール、あるいは左右OBの左サイドにトラブル待ち受けるホールであれば、そこに届かないクラブで打てばいいだけの事。フェード打てない人がドライバーでフェードまがい球のコスリ球を打つ必要がどこにあるというのだ!?
シングルがまがい球を打っちゃいけない。誰が見てもドロー球と分かるドロー球を打って行くのがシングルプレーヤーだ。シングルプレーヤーの誇り、それはまがい球を打たない事。プロの誇りも同じであってまがい球打つ者の成功例はありません。
フェードを持ち球としている方は徹底的にフェードで攻めて行くべきと考える。チーピン気味のドローまがいの球を打ってはいけません。飛距離、欲しい時でもフェードで打って行くべきだ。
フェード持ちがフックを、ドロー持ちがスライスを必要とするのはトラブルショットの時だけ。そんなトラブルは18ホールで1、2回しかないはず。横に出しゃいい。無理して他人の服を着、他人の趣味に合わせ、他人の嗜好に合わせるような事はしないでもよいでしょう。フック打ちの貴兄がスライス系を必要とするのは18ホールで1、2回の回数と認識すべきである。
スライス系の方はティショット飛距離という面でフック系の方より要求と欲望高まるは当然。ゴルフはドロー系を持ち球とした方が愉快じゃある。
私はジュニア塾生にドロー球を打たせて来た。ゴルフは愉快であるのが一番。忍耐、覚えるためにゴルフ始めたなんて話、私は聞いた事がない。忍耐とかはゴルフ始めた後にくっついて来たものだ。
左への曲がり過ぎと、飛距離の足りなさのいずれかが修正しやすいかを考えた時、結論は簡単に出て来る。一発明快解答、曲がり過ぎ! 曲がり過ぎの倍、いや3倍の努力を飛距離増加は要求して来るものだ。
初心者はドローを目指せばよい。短期間でシングルになった方は皆、初心時にドロー打っていたはず。
貴兄は2つの球筋を追うな。追うは1つの球筋だけでよい。2つ追って欲しいのは球質である。片手シングルを目指すのであれば向かい風、フォロー時の2つの球質はいります。
球の筋は1つで十分。球の質が2ついる。貴兄はフック球一本で十分。これからはフック球筋の中の2つの球質を求めよ。日々、努力あれ。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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