No.310 『スタート前の練習に使う番手』
9/2 更新
やはり6番で練習を始めるのですか?
塾長は6番アイアンから練習しろ、とよくいいます。コースにいった時も、スタート前の練習は6番アイアンから打ったほうがいいんですか。プロの多くはSWから始める、と聞いたことがあります。スタート前、練習の番手の順番を教えてください。
(香川県・38歳)
勘のアンテナを張り巡らせて球を打つ
スタート前の練習で大切な事は左ひじ、左手首の関節を伸ばし、左ひざの関節を伸ばさないようにする事の2点。
左ひじ、左手首を曲げて打ったんじゃ弧は小さくなる。そして、スウィングが軽くなる。軽いスウィングは球質の軽さを招き、風とプレッシャーには弱いものだ。重いスウィングをしたいものです。
左ひざの関節を伸ばしては方向性が狂う。上半身は飛距離を生み、下半身は方向を作る。過去の常識は上半身の型が方向性を作り、下半身の動きの鋭さが距離を作ると教えた。
違う。下半身は一に方向性を作り、二番目に距離を作るのです。
野球でも同じであるらしい。下半身の鍛練は制球力を生み、上半身の鍛練は球速を生むと聞いた。人間のやってる事、どの競技にも変わりはない。
スタート前の練習場、私はサンドウェッジと6アイアンの2本だけ持っていく。まずサンドウェッジで打つ。左ひじ、左手首の関節を伸ばす意識を持って球を打つ。3分の力、6分の力、9分の力と3段階の力の入りようで打っていく。左ひじの伸びを感じたらフルスウィングする。フルスウィングの球数は3球まで。
体調のいい時、十分なる睡眠の取れている時、12球で3段階の打ち分けはクリアできる。体調いまひとつの時、睡眠不足である時、精神状態かんばしくない時、24球でも足りない時はあります。そういう時は根気で打つようにして来た。練習時、根気をなくしたんじゃ練習にならない。
プロは根気と丁寧さを持つ。根気と丁寧さの濃度がプロのランキングを決めると思って間違いないだろう。私の濃度は低かった。だから三流半のプロの今日現在を迎えている。
スタート前の練習、左ひじと左手首の伸びの確認は必要。これを確認しないで適当に打つと、ラウンド中に距離の不適正を招く。
次に左ひざ関節の余裕。左ひざの裏がピーンと伸び切ると方向は狂います。スウィング中に修正できないインパクトの瞬間の方向狂いとなる。左ひざに余裕あればトップでもダウンスウィング途中でもインパクトの直前であっても多少のスウィング修正はできる。
上級者、ハンディ3までの方は体全体の動きに勘のアンテナを張り巡らせて練習する。初心者の方に勘のアンテナはない。勘のアンテナは練習量が作るものだ。勘が修正の必要を教える。
左ひざが伸びていなければ体は修正に応える事は出来る。伸び切った左ひざでの修正は困難。左ひざの裏を伸ばさない意識で打つスタート前の練習です。サンドウェッジでは左ひじ、左手首の伸びの確認、6アイアンで左ひざ裏側の確認。
貴兄はサンドウェッジの練習から始まる。体慣らし、球打つ時の感性慣らし、眼慣らしとスタート前の練習でやらなきゃいけない事、幾つかあるが、サンドウェッジでやるのが最善でしょう。インパクトの瞬間のヘッドとボールの感触を強く感じられるクラブはサンドウェッジ。
私はサンドウェッジと6アイアンだけで球を打つ。スタート前の練習場、13本全部のクラブで球打つプロはいないと思う。多く使って9本、少なく使う者で5本まででしょうね。私の2本使いはマレじゃある。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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