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ゴルフ野性塾SP

No.326 『練習場でのテーマとは』 12/24 更新


短期間上達法を教えてください

私に夏休みの宿題を与えてください。うだる暑さにも耐える覚悟です。練習日数、球数、練習メニュー、ラウンド数など短期間上達法を伝授して下さい。

(茨城県・37歳)


ボール位置の確認が最大の目的です

photo 練習場での練習、目的は幾つもありますが、アドレス時のボール位置の確認は数ある練習目的の中で最上位に位置するものだと思います。練習場での練習、目的意識が漠然としているようだと気も入らなければ集中の力も高まりはしないだろう。

気を高めるには確かなる目的意識を持てばいい。プロの領域、成功するか、しないかは目的意識の強さで決まると言っても言い過ぎではない。私は目的意識、希薄な人間だった。だから成功しなかった。

ジュニア塾生の合宿、今宵の夕食、何を食べたいかと問うた時、何でも、とか、任せます、と言って来る者は上手いゴルファーにはなれても強いゴルファーにはなれていない。焼き肉、とか、カレーライス食べたいです、とか己の食べたいものを言って来る者は強いゴルファーになっている。

主張は大事。他人任せで生きて行く性格の者は木の葉船の様なるもの、風に流され波に流され川の勢いに流されて、いずれは己の居場所を見失うであろう。ジュニア塾生への指導は一に挨拶、二に物事への優先順位の必要性。三に努力と勇気を教えて来たつもりです。

勿論私自身が不充分な人間であり、塾生に対して充分なる教えが出来ているはずもありませんが、塾としての努力、私としての努力は為して来たと思っています。

人と人との関係、完全を求めれば硬化する領域が出て参りましょう。その硬化は怖い。硬化は教育の失敗だと思う。欲の暴走、過ぎたる自己評価も硬化の一因とはなるようだ。挨拶、優先順位、努力と勇気の三つがそれぞれに備わりゆけば感謝の気持ちは生まれ来る事を塾生への指導の中で教えられた。

教え、教えられ、そしてまた教えて行く、の繰り返しが教育なのかも知れない。近頃、私は塾生にも塾生の親にも教えてくれてありがとう、の気持ちで接する事が出来るようになって来ていますが、随分と時間はかかりました。凡人が何かに気付くには時間が要ります。私は凡人。時間はもっともっと必要だ。練習場、ゴルフ場等、支援組織と支援協力してくれる方々の忍耐があったればこそのジュニア塾である。私は今以上に努力する。

photo 貴兄の練習場での練習の最優先目的を伺いたい。勿論、上手くなりたい、シングルプレーヤーになりたい等々の希望はお持ちと思うが、等々の気持ちが前面に出て来るようだと上達しないものだ。優先順位は要ります。

アドレス時のボール位置の確認でしょう。6アイアンで打ち続ける事です。左腕の筋肉と左肩周辺の筋肉にボール位置を覚え込ませなければ、いつ迄経ってもボールは曲がり行きます。多くの方は眼に覚え込ませようとし、感覚で覚え込んで行こうとしているが、眼に如何程の記憶力がある、感覚に如何程の記憶の力があるとゆうのだ。

筋肉に覚え込ませるが最善。左腕と左肩周辺の筋肉にボール位置を記憶させてやるが最善。右腕、右肩の筋肉の記憶に頼る方はボール位置から生じるミスを犯すであろう。ボールより遠い位置の筋肉よりは近い位置の筋肉。動き回る筋肉よりはスウィングの壁となってくれる位置の筋肉にボール位置を記憶させるが最善。

貴兄はアドレス時の左腕、左肩でボールの位置確認をすべきと思う。その為の練習場での練習と思って頂きたい。左腕だけでグリップを握り、アドレス態勢に入ればよい。

上手く行ってる時は勘でボール位置はつかめるものです。しかし、調子が崩れた時、それでもなお、勘でアドレスに入るようだとスウィングは崩れ行くものだ。そしてリズムも崩れ、タイミングも崩れの総崩れ状態が起きる。

スウィングの調子のいい時、当たっている時の勘は槍にも楯にもなるが、当たりの崩れ始めた時の勘は足を引っ張るだけのものになって行きます。消極的になった時の勘は自滅自転びの勘と申して頼りにはなりません。

勘は冷静さと合体して、そこで初めて力を見せてくれるものだ、と思う。勘と冷静さは一枚岩。槍と楯。押され始めた時に勘にばっかり頼っていると状況判断を見間違うでしょう。

トーナメントの領域、消えて行った者の多くは不調になった時にそれまで以上に勘頼りのスウィングをしていた。ゴルフスウィング作りの基本は筋肉への記憶を与える事から始まるのに勘に頼り過ぎてしまった過ち。過去の何かを捨てなきゃいけない時は必ず来るのに捨て切れなかった未練。筋肉の記憶力は過去と現在と未来をつなぐが、勘は今だけのもの。なのに、過去と現在と未来と勘でつなごうとした間違いと不幸。

勘は再生の能力を持ちます。貴兄は勘の再生を待てばよい。そのためにも左サイドでボール位置の作れる練習をして貰いたいのです。勘はまず左サイドへ戻ってくる。




この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。

つづく
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目次
No.327 上達の道は上りの階段 (1/6) next
No.459 距離感をあわせるには・・・ (10/6)
No.458 バックスウィングは・・・ (9/29)
No.457 選手のマナーについて・・・ (9/22)
No.456 助言で崩れたら、新たな・・・ (9/15)
No.455 一途に6アイアンを打ち続けなさい (9/8)
No.454 素振りで上達する方法 (9/1)
No.453 夏のゴルフは無理をするな (8/25)
No.452 50歳を越えてからの練習法 (8/11)
No.451 咀嚼の力で・・・ (8/4)
No.450 球落ちの原因は・・・ (7/28)
     
   
 
坂田信弘

京大中退からゴルフを目指した異色プロゴルファー。主として週刊ゴルフダイジェストを根拠として漫画の原作、競技観戦記、レッスン書、レッスンビデオなど八面六臂の活躍をしているが、現在は次代のゴルファー育成のため開始したジュニア塾の塾長として脚光を浴びている。スウィング型を作るための「ショートスウィング」を提唱。
 
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