No.355 『アイアンとウッドは違うスウィング?』
7/22 更新
ウッドとアイアンを両立させたい
私の悩みはウッドとアイアンが両立しないことです。月1回ペースでラウンドしているのですが、アイアンの調子がいいときはウッドの調子が悪く、ウッドの調子がいいときは必ずアイアンの調子が悪いのです。自分ではウッドもアイアンも特にスウィングを変えている意識はないのですが、どうしたらウッドとアイアンが両立するのでしょうか。
(東京都・38歳)
同一スウィングの感性を慣らして行け
最初が肝心と申すが、確かにウッドの打ち方とアイアンの打ち方に同一の感性、そして、スウィングの一貫性が持てない理由を問うた時、ゴルフ始めた初心者時の練習方法に戻れば答えは出て来る。
転がすだけのクラブはパター。残り13本のクラブは上げる事も出来れば転がす事も出来るクラブであり、多用性を多く持つものだ。初心者時、ドライバーからボール打ち始めた方の感性はドライバーの長さと重さ、ドライバーヘッドのロフトに慣れて行く。サンドウェッジで打ち始めた方はサンドウェッジのシャフトの長さ、重たさ、ロフトに慣れて行く。
この慣れが強まり行けばドライバーは打ててもアイアン苦手となり、その逆も生じる訳だ。勿論、距離慣れも生じる。ドライバーの飛距離に慣れたる感性はドライバーを得意とし、サンドウェッジの距離に慣れたる方はサンドウェッジの距離を得意とするであろう。そして、ウッドの不得手、アイアンの不得手の状態になって行く。
私は同一の感性、同一のスウィング勘で打つもゴルフ、ウッドとアイアンが感性分かれ、スウィング型分かれの状態で打つもゴルフと思っているが、練習時間充分に取り得ない方は同一の感性、同一のスウィング型で打つべきと思う。
同一の感性、同一のスウィング型は単純さを持つ。単純さは丈夫さを持つ。練習時間、取り得ない方は丈夫さを目指すべきだ。
30年前、私がゴルフを始めた頃、プロの教えはウッドとアイアンの打ち方は別、とゆうものであった。ウッドはアッパーブローに、あるいは払い打ちで打ち、アイアンは上から叩き込んで行け、と。
練習量に不足のないプロ、トップアマは払ってでも打ち込んででも打てた。プロの世界、ウッドとアイアンのアドレス時のボール位置を極端に変えて打って行く人は多かった。そのゴルフ観を大きく変えたのがジーン・リトラーであった。
全米オープンチャンピオンのジーン・リトラーはドライバーからサンドウェッジ迄、同じボール位置で打っていた。ジーン・ザ・マシーン、と呼ばれていた彼のドライバーからサンドウェッジ迄、同じスウィング、同じボール位置で打って行くスウィングが日本のゴルフスウィング常識を変えた。以後、日本のスウィングは変遷の時に入った。そして、今日がある。
どう打とうが、どのボール位置で打とうがスウィングはスウィング、ゴルフはゴルフである。人、それぞれに適した打ち方もあれば、練習環境、指導環境で育って来た理論もある。否定する事は出来ない。遠回りしている事が分かっていても否定出来ないのです。
ドライバーからサンドウェッジ迄の13本のクラブ、真ん中のシャフトの長さは6アイアン、クラブヘッドのロフトも6アイアンが13本の中の基本のロフト、飛距離も13本の中の中間の飛距離。習い事はツボを押さえれば上達の勢い速まるものであろう。6アイアンに習熟する事がゴルフスウィング作りのツボであると私は思っています。13本全部、同じ感性で打てる様にはなります。
ジュニア塾生にも進化論塾生にも6アイアンの打ち方だけを教えて来た。6アイアン以外のクラブの打ち方は教えていない。その必要性もない。何故ならば6アイアンもドライバーもサンドウェッジもスウィングの基本は同じであり、打ち方を変える必要ないのであるから!
貴兄は6アイアンを打て。そして、6アイアンの長さの棒を作り、その棒で素振りせよ。棒の素振りは13本のクラブの振りを同じ感性とする効能を持つ。野球バットでも素振りでもいいが、6アイアンの長さの棒振りの方がもっとよい。
感性を慣らして行け。ウッドとアイアンの打ち方を一つに慣らして行けば貴兄の悩みは解消される。意識の問題ではない。感性の問題である。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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