No.380 『シビレたときは関節を伸ばせ』
1/19 更新
開き直りの2発目は成功するのだが・・
バンカーショットをミスした後の2発目は開き直って成功します。1発目は多分、寄せてやろうという欲が力みを生んだり、焦りでスウィングを崩して失敗しているのだと思います。バンカーに入る前から打ち終わるまでの、メンタルコントロールとルーティンワークを教えて下さい。
(岐阜県・34歳)
腕が縮むからシビレる。イップスになる。
イップスとかシビレ打ちは腕を縮めた状態から起きるものである。パッティングイップス、アプローチイップスとは両腕を縮めて構えたアドレスに出る突発性の症状であり、継続性を持つものだ。ひじ関節を曲げ、手首の角度を作るアドレスに出やすい症状であり、ひじ関節の曲げ角度が一定している時はいいが角度変わりて球捉えの感性変わらぬと球叩きのバランス崩れてイップス症状発生する。
ひじの角度と球捉えの感性は二人三脚であるべきだ。この2つがひとつは前に進み、ひとつが以前のままの状態に残るとイップスの原因となる。進み行くものと残るものに分かれれば、それは分かれの途。スウィング型と感性は分かれてはいけない。分かれればイップス生じる。
イップス直す手段は体技心の部分でそれぞれにあるが、一番簡単な直し様は技の領域で直す手段。左腕か、右腕、いずれかの腕のひじを伸ばしたアドレスにすればよいのです。
クロスハンドグリップは左ひじが伸びて、左手首も伸びる。長尺パターを使うと右腕伸び、右ひじ、右手首も伸びた構えとなる。いずれも、左右いずれかのひじと手首を伸ばす打ち方であってイップス直しに適した手段。グリップの握り様で手首の固定化を図る方も多いと思うが、それよりはいずれかのひじを伸ばすアドレスを目指すべきと思う。ひじが伸びれば手首も伸びる。
私はイップスだったと思う。300本以上のパターを購入した。クラブヘッドの型は同じだがグリップを変え、シャフトの長さを変えたものを含めれば500本以上のパターを買っています。
パターと共に眠った事もある。夜中、眼が醒めて体の横のパターを握り、グリップ確認をやり続け、朝を迎えた事もある。30センチから2メートルの距離が打てなかった。腕が動かなかった。腕がスムーズに動かなければヘッド軌道は蛇行軌道。最初は届かない外れ様だけでしたが、その内、30センチを左右に外すようになっていた。
距離の1割、1メートルであれば10センチオーバーに、10メートルであれば1メートルオーバーに打てればイップスに罹る事はないと思う。距離をカップぎりぎりに合わせて行くからイップスが生じるのである。
両腕のひじの角度が変わらない人はイップス化しないものだ。そして角度が変わらなければ、その変わり様のない角度の中で感性が幾等、跳ね回ろうとイップスにはならないでしょう。感性がひじの角度より飛び出すとシビレは生じます。シビレの後にはイップスだ。パッティングで大切なのは両腕の関節の角度の固定化である。
シビレたくなければ大きく振って行け、とゆう教えは腕関節を伸ばせのアドバイスと思って間違いない。シビレた時は大きく構えよ、も同じ教えである。
貴兄のバンカーショットはイップス化の初期症状でも何でもない。誰もが通る上達の道の並木通り。ただ、同じミスを繰り返していると初期症状を迎える怖れはありましょう。アドレス時、左ひじをほんの少し、伸ばしてやればよいのです。右ひじを伸ばしてはいけません。右ひじを伸ばすとバックスウィング始動時のなめらかさが維持出来なくなります。
事を複雑にしてはいけない。メンタルコントロールとか、ショットに入る準備手段とかにこだわるべきではない。貴兄のミスは単純なミス。単純なミスには単純な修正手段でもって当たるが最善。ゴルフを難しくする方は単純なミスに対して複雑な手段を当てようとなさってる。単純には単純、一には一、である。
女の愛には男の愛でもって応えてやればよいのに、女の愛を深読みするから嘘も生じ、やっかい事も生じるのと同じではあるまいか。
貴兄は左ひじを伸ばしたアドレスを取れ。肩に力を入れず、である。それが基本。貴兄の基本。バンカーで失敗した後の2球目。貴兄の左ひじは伸びているはず。開き直りは関節を伸ばす。確認あれ。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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