No.402 『スタート前の練習で何を目指すか』
6/28 更新
練習しすぎで後半はバテてしまいます
私はスタート前に一生懸命練習します。フルショットを10球ずつまんべんなくクラブ13本を打ちます。しかし、ラウンド後半は少しバテるのか、振りが鈍くなります。打ちすぎでしょうか。最も効率のいいスタート前の練習法を教えて下さい。
(大分県・46歳)
練習場250ヤード、コース280ヤードが理想です
練習場での練習、そしてスタート前の練習はラウンドのための練習であるのが普通なれど、練習のための練習になっている場合は多い。
アマチュアの方の8割は練習のための練習で始まり、練習のための練習で終わっていると聞く。練習場と同じボールが打てれば、同じ飛距離が出せれば、同じタイミングで打てれば、との嘆きも聞く。
練習場のスウィングとコースのスウィングを同じと思う事、同じものを目指しているからこの嘆きは生じるのである。同じスウィングの型を目指し、同じリズムを目指し、同じ球とらえの感覚を目指し、何もかもが同じであればとの望みと欲。そもそもがこの望みと欲のスタンスが間違いなのです。
練習場、スタート前の練習で最優先させるべきはボールの芯とらえである。スウィングでとらえるも良し、リズムでとらえるもいいが、いずれにしても芯外しのショットはラウンドを苦しくするものしょう。練習場とコースのスウィングは異なるものです。
ティの高さが違う。練習場では決められた高さで打つが、コースでは己の高さを作る事が出来る。ティショット後の第2打、平らなライで打つ事は少ない。しかし練習場では同じライで打ち続けて行く事は出来る。
第一、気の入りようが違ってきましょう。練習場で気迫前面に打ち出して打つ方は少ないと思う。冷静に打てるし、恐怖も不安もない中で打ち続けて行けるはず。コースは違う。ひとつにミスの後、気持ちの中に背負うものは一気に増える。恐怖、不安、計算等が転がり込んで来るものだ。そして、背負う。同じスウィングはできない。気迫で打つ事もある。練習場とコースのショット求めるものは異質と思ったほうがいいと思う。
練習場ではリズムで打つべきでしょう。リズムでの球とらえが芯どらえの最も確実な手段となり得るものであって、力どらえ、勘どらえ、スウィング型どらえはリズムどらえより確率5割は落ちるであろう。
練習場では芯どらえを目指すべきである。コースではスウィングスピードが速くなって来る。練習場でのリズムどらえだけでは18ホール、戦い切れない部分はあります。ボクシングに例えた時、練習時のスパーリングは急所打ちの確認が最優先されるものと聞く。軽く軽く打ち、その軽さの中での急所とらえ。
スパーリング時、倒すつもりで目一杯振り回すプロはいない。リズムとタイミングで打っている。それでもスパーリング時、高い衝撃音は出る。私にもボクシングの経験はあるが、高い音の出せる者はヘッドギアの上から急所をとらえている。ヘッドギアをつけない本番では急所とらえの音は低く、くぐもった音になる。高い音はかすりパンチだ。
ゴルフ練習場、高い音は要らない。澄んだ音を出して打てればよい。澄んだ音はリズムでの芯どらえの音。コースでは澄んだ音に鋭さと高さが加わる。練習場のスウィングが鋭く高い音を出して来る逆の音の出し様だと思う。その音の出様が練習のための練習となって行くのです。
コースラウンドのための練習は違った音を出すべきだ。ハンディ6までの方はこの事を体と経験と知恵でご存知だ。
練習場、貴兄はリズムで打て。芯どらえを目指せ。バックスウィングを1の速さで振り、ダウンスウィングをバックスウィングの倍の速さで打って行け。それがコースラウンドのための練習となる。
練習場で280ヤード飛ばせたのにコース出ると250ヤードしか飛ばないと嘆くお方もおられよう。ラウンド時の曲げちゃいけないと思う恐怖、上手く当たるだろうかとゆう不安がスピードを削ぎ落としているのです。逆であるべきだ。
練習場では250ヤードしか飛ばないが、コースに出ると280ヤード飛ばせるスウィング。これが理想であり、目指すところでもありましょう。
貴兄は逆の方向を向いていると思う。向きの修正は要ります。考え方を変えればよいだけの話。練習のための練習からは足を洗うべきである。練習場では飛ばなくてもいい。芯どらえのリズムスウィングを目指すが一番。
人間の体は心に順応できるものです。コースではコースでの考えに順応出来ます。基本鍛練がそれを作る。リズムでの芯どらえ。お試しあれ。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
|