No.420 『深いラフで使うクラブと打ち方』
11/1 更新
長いラフではどう打てばいいのでしょう
先日ラフが長いコースでプレーし大苦戦しました。ボールが芝に隠れてほとんど見えない状況。ここは出すだけ、と思いSWで打ったのですが、それでもミスしました。長いラフに入ったらどう打てばいいか、そして肝に命じなければいけないことは何か、教えてください
(広島県・41歳)
ラフ草に反発させちゃいけません
打ち込んで行けば反発される。この事、人の世と同じ。振り抜いて行けば、我、関せずと当事者でありても傍観するのが芝生の習性であり、人の世の習いではあるまいか。
打ち込みには互いの存在、互いの顔や意図、分かるものであり、振り抜きには吹く風の如く仕方ないの諦めと無関心も生じよう。打ち込んで行けば抵抗されるは必然。その必然に貴兄は出会っただけの事。振り抜いて行くが最善。
ただ、振り抜く力なし、と諦める事はない。サンドウェッジを持たず、フェアウェイウェッジかピッチングウェッジを持つのです。クラブフェース、被せ構えるのではなく、30度開きの構えをして行けばよい。
過去の常識、力まかせ、腕力任せでラフ草に対抗する手段を是として来た。クラブフェースを閉じて構えるアドレスを教えて来た。ラフ草は声を持たない。故にその声なき反発に目を向ける事出来ず、無視した。フェースを被せれば反発は強まる。ラフ草に負ける。ここで過去の常識はもっとクラブフェースを被せよ、と教えた。
下痢する人に下剤飲ませに行くのと同じ状態になった。そして力任せの乱舞振りとなり、激しい息遣い、ラフ草と己への罵声、そして溜息ついてそのホールはお終い。何とゆう事はない。ラフ草の反発、最小限に抑える手段、取ればいいのに反発増す手段に踏み込んで行っただけの事。
ピッチングウェッジを30度開くとロフト56度から60度にはなるものだ。ソール幅はサンドウェッジより狭いので流れの切れは鋭くなって行く。打ち込みではなく振り抜いて行く。要するにクラブフェースの流れ切れを生むがために最善のクラブがピッチングウェッジであった。
貴兄は全英のラフ草をご存知か。私は16年前に全英オープン最終予選に挑んだ時、貴兄と同じようにサンドウェッジでラフ草に向かって打ち込んで行った。打ち込めば例え脱出出来ても距離と方向が確保出来なかったのです。振り抜けば距離と方向、確保出来た。右腕頼りよりも左右の腕力、均等の感覚で振って行けば振り抜けました。
サンドウェッジよりはピッチングウェッジでのクラブフェース30度開いて打つと球は脱出の高さと距離、そして方向をも出してくれた。 金属がラフ草に負けるはずもない。要は抵抗力を弱める手段、見つければいいだけの事。サンドウェッジを閉じて打てば7アイアンのロフトで打っているようなものであり、クラブヘッド、ボールに届く前にボール手前のラフ草の抵抗に会ってクラブヘッドのスピードは損なわれるものだ。
ラフからの脱出、クラブフェースを開くが最善。小学3年生の女子塾生に10センチのラフの中で打たせてみた。フェースを閉じては打ち出せなかった。9アイアン開いたほうが打ち出せた。非力にして9アイアンのクラブフェース開いた威力。貴兄はサンドウェッジを捨てよ。これまでの常識、これまで、その打ち方でやり通して来た人の常識ではある。
クラブフェース閉じて何が出来る。クラブヘッドの重たさ変わるとでも言うのか。何も変わりはしない。ロフト、7アイアンとなってラフ草の抵抗、強く受けるだけだ。途中、ラフ草の抵抗に出会い、ロフト開きの状態で球を捕らえるとゆうのはへ理屈。それでは距離と方向、生むは難しい。
お試しあれ。フェースを開いて力は要らない。力任せではなくなるので距離と方向も作れる。
金属はラフ草よりも強い。この事が基本。ラフ草の中での振り抜きの手段、それはクラブフェース、開く事だ。そこから始めれば貴兄のラフからの脱出劇は変わる。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
|