No.445 『心の乱れをなくすには』
6/23更新
1ホール叩くと、残りのホールの調子も崩れてしまいます。
1ラウンドを通して調子を維持するにはどうすればいいでしょう。前半の9ホールが良くても、後半1ホールでも崩れると、バタバタと残りのホールを大叩きすることがあります。調子がいい日に、1ホールくらい叩いても、また元の調子に立て直す方法を教えてください。
(静岡県・38歳)
貴兄の願いは私の願いと一緒だ
好調の維持は難しい。好調子と乱れ調子ありての調和であると思う。人間の体には行く血と戻る血があるように、行きて戻るから維持され行く体調であろう。
大地には東西南北の風がある。海には引く波、押し波の2つがある。風と波、大地の調和、海の調和のひとつの証しではあるまいか。
貴兄の望み、願いは分かる。私も貴兄と同じ望み抱いて来た者である。しかし、今、それは叶わぬ願いであったと思っている。
18ホールのラウンド、好調の足で歩き始めたとて途中で乱れは訪れよう。頭の中から訪れる事もあれば指先、手先、肩先から訪れる事もある。飛び込んで来る声を受けた耳から訪れる乱れもあろう。いずれにしても生身には簡単に傷はつくものだ。
体技心の生身、一番簡単に傷つきやすいのは心であり、一番傷つきにくいのが体か。要するに周りの影響を一番受けやすいのが心であり、次に技、そして一番受けにくいとゆうか、変化しにくいのが体とゆう事と思う。
間違ってはいない。私のこれまでの経験から申せば悲しい程に確かな事じゃある。故に生身の弱さを知りたる人は心技体と言った。心技体の考え、強き者への順応と恭順から生じたものとゆう気がしてならぬのです。
それとは逆に抵抗する人は心を体の奥深くに残す。まずは体を差し出し、体の勝負から挑みに行く。大切なのは心。だから心は最後の最後まで、残す、とゆうのが体技心の発想であったと思う。
戦いは体技心の戦いが理と考えて来た人たちはいた。鍛練への順応性も生身の身につく結果の速さも体技心の順番が一番確かであるからだ。体を鍛える事は出来る。技鍛えも時間と根気があれば出来る。
心の鍛えには時間と根気の他に理想や希望、限りなき忍耐、誇り、そして一徹さはいろう。心を鍛える鉄槌には一徹というヘッドは必要。
柄は忍耐で出来ており、誇りで打ち込んで行けばいい。人間、欲しいものを得たいのであれば一歩の踏み込みが必要であろう。待ってたり、退いたりでは欲しいものに届きはすまい。
戦いだ。体技心の戦いだ。
私は希望を捨てはしない。願いも捨てない。10は叶わぬまでも、せめて1叶うのであれば最初の一歩をと思って来た。
貴兄の願い、私の願いと一緒である。今少し待ってもらいたい。好調子と乱れ調子、その調和如何にすべきかを追っています。乱れ調子を消すは不可能と思う。ならば好調子のレベル、そして質を考える工夫は必要だろう。
左腕の一定リズムの素振りを毎夜100回続けて欲しい。左腕だけで振るが最善。技を遠くに置き、心も遠くに置いての淡々とした素振り。速く振らずともいい。ゆっくりと振り続ければいい。その毎夜の素振り、貴兄の心鍛えの鉄槌の柄を作ってくれよう。
技はいらない。心もいらない。体だけで振っていけ。
100万歩先に貴兄の願い叶える所があるとしよう。一気に100万歩は歩けない。飛べもしない。人は飛ぶ事を考え願うが人は歩けるだけ。夢飛び、願い飛び、理想飛びは神から許されてはいけない。許されたのは一歩一歩の歩みだけだ、と言った。すべては何百年も前からの先人の確かな教えと思う。
歩け、静岡の人。毎夜の素振りから歩き出せ。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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