東京には秋風が吹く中、富士山の麓にはカン高い打球音が響き渡り、真夏のような熱気に包まれた。全国各地の予選を勝ち抜いた強豪が集結した決勝戦。ビートの効いた音楽とギャラリースタンドの視線が、ドラコン野郎の闘争心に火を付けた……。
優勝賞金 ¥1,000,000. 米ラスベガスでの世界大会 出場を賭け飛ばし屋日本一 を決定する
飛ばし屋日本一を決める「ドラコン日本選手権」の決勝戦が、今年も静岡県の東名CCを舞台に行われた。準決勝から好記録が続出し、ついに闘いは400ヤードレベルの争いに突入した。
A、Bの2つのブロックに分かれ、それぞれ3人ずつが決勝に進む準決勝。そのBブロックの最後に登場した児玉克彦選手が、観客の度肝を抜いた。「フックでファールが続いたので、とりあえず力まずに真ん中に打とうと思って振った」という一打は、401ヤードを記録。日本人初の400ヤード越えを達成し、日本新記録を樹立した。
続いて行われた敗者復活戦。この大会の常連で、常に優勝候補に挙げられる小達敏昭がプロの意地を見せた。渾身の一打は、小達の雄叫びとともに距離を伸ばし399ヤードを記録。決勝進出を決めた小達の派手なパフォーマンスに、会場は最高潮の盛り上がりを見せた。
そして、陽も傾き始めた頃、いよいよ決勝がスタート。元ヤクルト投手の山田勉選手が397ヤードを叩き出し、見事に優勝を飾った。この結果、決勝1位の山田選手と、日本新記録を達成した児玉選手がラスベガスで開催される世界ドラコンへの出場権を獲得。小達敏昭は決勝2位、記録も2位と好成績を残しながら一歩届かず、涙をのんだ。
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