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ゴルフ野性塾SP

No.322 『大きなフィニッシュの意味』 11/25 更新


大きなスウィングがしたいのですが

私は坂田塾の子供たちを間近に見たことがあります。フィニッシュの大きさには驚かされました。クラブヘッドが飛球線方向に向くまで右肩が回っています。私はもう46歳。体が固くなり、フィニッシュでは両手が胸の前で止まってしまうほど、肩が回らないのです。肩が回らなくなっても、大きなスウィングで打てる方法を教えてください。

(北海道・46歳)


プレッシャーがフィニッシュを小さくする

photo 家の近く、あるいは職場近くの練習場でボール打つ時、プレッシャーを感じる事、そう多くはないだろう。多くの方はプレッシャーを感じないで気楽に、あるいは真剣に打っておられると思う。

コースに行く。スタート前の練習場、体慣らし、球筋慣らし、スウィングチェックポイント確認の練習をする。この時、多少のプレッシャーは訪れて来よう。練習グリーン、パッティングの練習に入る。プレッシャーは少しだけ強まる。

そしてスタート。ドライバー持ってアドレスに入った瞬間、緊張度は一気に高まり、頭の中を考えや思いが暴走行為に入る。体が強張るのを感じ取れる時はまだ冷静。感じないようだとプレッシャーモロ浴び状態。

ミスをする。フィニッシュの瞬間、体の硬化は強まり、心は逆に弛緩する。冷静さが急激に戻って来る。いわゆる心の逆流状態であるが、この逆流状態が体の力を一気に削ぎ落とすのです。この状態はマズい。

ゆっくり緊張を高め、ゆっくりと緊張を解いて行くのが理想であるが、プレッシャーに弱い方は緊張の一気の高まり、一気の緩みをこれまでに何度か繰り返され、それが習慣化し、不幸にも緊張の高まりと弛緩が突発的に顔を出し、その突発性に悩んでおられる方だと思う。

私がそうだった。グリーン上、心の逆流状態に疲れて行った。最後は諦め。それで一日が過ぎて行った。緊張はいつの時にも訪れます。その訪れを阻止するのは困難ですし、緊張のないゲームは面白くないだろう。緊張のないゲームは麺と汁だけで他には何も入らない素うどんみたいなものと思う。腹は適当に満ちるが、ただ喰ったとゆうだけ。

私はうどんが大好物であり、近頃は日本国内、どこででも素うどんばかりを注文して来ているが、この店の素うどんは旨い、素のままで満足出来る麺と汁、と思える店は意外と少なかった。店のプライドとはこだわり、こだわりとは技術、技術とは味でしょうが、店の暖簾に誇りを賭ける職人気質の方が少なくなっているように思う。

私のゴルフも素うどんみたいなもの。緊張感にて球を打ってはいません。狭いホールも広いホールも同じ感覚で打っては行けます。飛距離変わらず、大曲りする事もなく、淡いゴルフと申せば淡いゴルフであり、素うどん好む者のゴルフは素うどんに似たゴルフになって行くのでしょうか。

ただ、グリーン上に来ると、小さなドンブリの中に肉もコンブも天プラも油揚げも生野菜もゴチャ混ぜにして入っているミックスうどんみたいになって行く。どれがどの味なのか分からず、見ただけで腹一杯になってしまうような状態。

腹が減ってりゃ食べるが、腹が減っていないのに、さあ食べなさい、と出されたって閉口するばかり。その状態が私のグリーン上。グリーン上で疲れる。本当に疲れてしまう。

photo 先般のタイはバンプラでの進化論合宿、最初の日に18ホール回った。パーオン外したのは1ホールだけ。3パット3回、バーディ2コ。2日目、18ホール回った。18ホール全部パーオンさせ、3パット3回、バーディゼロ。2日間36ホール、カップオーバーに打てたパッティングは一度もなし

グリーン上、全く進化しちゃいない。情けない。情けない事です。1メートルを3パットした時には参りました。進化論合宿に参加された方はお分かりだと思うが、15回を数える合宿、これまでパッティング指導した事、一度もありゃしない。

パッティング理論の8割は見つけているが、その理論の実践手段が見つかっていないのです。見つけているのは全体の半分位か。だから書けない、語れない、指導できない状態がズーッと続いています。私はグリーン上でプレッシャーをモロに浴びてるゴルファーです。

塾生に大きなフィニッシュを取らせる理由、それは心の逆流をさせないがためであります。小さなフィニッシュは敏感過ぎるフィニッシュと思う。予期不安、悩み、恐れなどは大きなフィニッシュよりも小さなフィニッシュに宿りやすい事が分かったから、塾生には大きなフィニッシュを取らせているだけの事。大きなフィニッシュだと心の逆流は起きにくい事も分かりました。

ただ、それだけの事です。グーン上、私は大きなフォローを取ろうと心掛けて来た。バックスウィングとフィニッシュの大きさを同じにしたいと考えて来た。練習グリーンでは出来るがコースだと出来やしない。フィニッシュとは呼べないような小さなフィニッシュばっかりです。距離も合わなきゃ、方向も歪んだパッティング。何故、と思うが、その何故が解明出来ていない。

気持ちの中の勇気のネジ1本。緩んでいるだけ、と思うが、勇気のネジを締め直すのは難しい。頭じゃ分かっていても腕先が言う事きいちゃくれない。だったら勇気で打てていた最初の頃に戻れば、と思うが戻る手段が見つかっていないので戻るにも戻れない状態。何とも情けない話ですが、それが私の現状です。

貴兄は大きなフィニッシュを取りたいと願う。心が邪魔し、筋肉の記憶が邪魔する、貴兄の小さなフィニッシュスウィングだと推察する。




この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。

つづく
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目次
No.323 突発的な曲がり症状を修正 (12/2) next
No.459 距離感をあわせるには・・・ (10/6)
No.458 バックスウィングは・・・ (9/29)
No.457 選手のマナーについて・・・ (9/22)
No.456 助言で崩れたら、新たな・・・ (9/15)
No.455 一途に6アイアンを打ち続けなさい (9/8)
No.454 素振りで上達する方法 (9/1)
No.453 夏のゴルフは無理をするな (8/25)
No.452 50歳を越えてからの練習法 (8/11)
No.451 咀嚼の力で・・・ (8/4)
No.450 球落ちの原因は・・・ (7/28)
     
   
 
坂田信弘

京大中退からゴルフを目指した異色プロゴルファー。主として週刊ゴルフダイジェストを根拠として漫画の原作、競技観戦記、レッスン書、レッスンビデオなど八面六臂の活躍をしているが、現在は次代のゴルファー育成のため開始したジュニア塾の塾長として脚光を浴びている。スウィング型を作るための「ショートスウィング」を提唱。
 
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