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ゴルフ野性塾SP

No.339 『ティアップ練習とフォロー弧』 3/31 更新


ドライバーは打てるがアイアンが打てない

現在私のゴルフはドライバーは打てるがアイアンが打てないレベルです。ドライバーが・・というのは220ヤードそこそこで、けっしていつもナイスショットではないのですが、ミスの少ないショット。アイアンが・・というのは大きなダフリ、トップ、ヒッカケなどが出るレベルです。ティアップしているボールは打てるとも言えます。両方打てるようにするためのスウィングチェック法、練習法を教えて下さい。

(長野県・41歳)


練習環境を変えて自信を回復

photo 初心者の方がスウィングを作る時、最初に作るは左肩、左グリップの型と位置決めであろう。その型と位置にシャフトとヘッドが入って行く。スウィング作りは左サイドから作るを最善となす。これまでのゴルフ理論、スウィング作りの優先順位と作りの手順を明確にして来なかった。故に初心者の方は悩んだ。

優先順位と手順が明かになれば工夫心も研究心も練習量も鍛練量もそこに注ぎ込んで行けるものだ。上達には一気、集中の工夫心、研究心、練習量、鍛練の投資は要るものです。不明だと浅く広くの投資になり、工夫心は乱れ、研究心も薄まり、練習量、鍛練の量も効果薄きものとなりましょう。

まずは左サイドの作りから始めるが最善。次に右サイドの型作り、位置決めと移って行けばよい。左と右の型と位置が決まればスウィング全体型は作れたも同然。

最初にスウィング全体の型を作りに行くと、左サイドを中途半端に作り、右サイドを中途半端に作り、次に左サイド、そして右サイドと繰り返し交互の型作りとなり、時間も投資の量も大変な量となって行くは必然。優先順位を間違わなければ3年でシングル入りのゴルフは出来るものだが、優先順位を間違えると10年を経てもハンディ18前後での悩みとなりましょう。

貴兄は右サイドから作って行った方である。ティアップしたドライバーショットが打てて、アイアンが打てない原因は唯一つ。最初に右サイドの型と位置決め、右腕に距離も方向も頼ったスウィング作りである事以外に考えられぬ。

貴兄はインパクト直前から左腕で引っ張り込むようなスウィングをしているはず。左ひじの伸びていないスウィングであるはず。インパクト直後、クラブヘッドが一気に浮き上がって行くスウィングであるはず。そして、力んで来た。それでは正確な球捕らえの出来る確率は低くなり、ダフリ、トップが頻繁に生じるは当たり前。

photo 初心者の方は最初のコースラウンド時、ティからグリーンに乗るまで、ティアップしたボールを打って行くが最善。「ボールはあるがままに」と申すがそれは競技のゴルフ、人様に迷惑をかけないレベルのゴルファーの論理であって、初心者の方はドライバーからサンドウェッジまで、ティアップされたボールを打って行くほうが「あるがままに」よりは遥かに上達は早くなるものだ。

ジュニア塾生の指導の中で分かった事なれど、練習場でもコースでもティアップされたアイアンショットを打ち続けて行くとフォロー弧の大きなスウィングになって行きました。アプローチも然り。逆にノーティアップボールだとフォローの縮んだ小さなスウィングになり、手首多用のスウィングになっていったものです。合わせ打ち、緩みのスウィングです。

ティアップボールを打たせるのと打たせないのでは大きな上達の差がついた。もちろん、自信もついて行った。ゴルフ場の理解、周りの理解ありて出来得た指導なれど、「あるがままに」の指導ではゴルフ場の芝は穴ぼこだらけになって行ったと思います。

上手くなって行った者は少しずつティの高さを低くして行き、自主判断でティアップしないゴルフの領域に入らせました。ティアップボールから脱した時、綺麗なターフの取れるゴルフにはなっているものだ。

貴兄は自信を失している。自信を失した時、その自信を取り戻す方法は環境を変えることであろう。自信なくした状態でがむしゃらに球を打ち続けた結果、壊さなくていいものまで、壊してしまうという経験をお持ちの方もおられましょう。

環境を変える、それは練習の方法を変えるという事。練習場、ドライバーからサンドウェッジまで、ティアップしたボールを打って下さい。ダフリ、トップはクラブヘッドの正しいフォロー型を作り行く事で直るミスです。ティアップしたボールは正しいフォローを与えてくれます。

貴兄は練習場へ行け。理想を申せば、コースラウンドでもティアップしたボールを打たせてくれればよいのだが、「あるがままに」と求められればそれも難しい。理想が通れば、貴兄は2分の1の練習量と経験で上達の道を突っ走るだろう。

ゴルフはゴルフスウィングを筋肉に記憶させる事から始まるゲームであります。筋肉が正しいスウィング弧を覚えてくれれば、ティアップしたボールもティアップされていないボールも同じように打てるものです。「あるがままに」を通すか、ラウンド100切れるまではティアップのボール打ちもOKとするか、それはゴルフ場の判断に依るところと思うが、練習ラウンドであれば自在の発想ありてもいいか、と思います。

ゴルフ場のキャディマスターに問うてみて下さい。多分、キャディさんととコース管理者は歓迎してくれるでしょう。プレー進行は早くなり、芝生も痛みませんものでネ。そして、上手くなってくれれば、これ程の喜びはありますまい。

誰でも最初は初心者だった。最初からラウンド100切れた方はごくわずかの方だったと思う。問うてみて下さい。




この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。

つづく
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No.459 距離感をあわせるには・・・ (10/6)
No.458 バックスウィングは・・・ (9/29)
No.457 選手のマナーについて・・・ (9/22)
No.456 助言で崩れたら、新たな・・・ (9/15)
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坂田信弘

京大中退からゴルフを目指した異色プロゴルファー。主として週刊ゴルフダイジェストを根拠として漫画の原作、競技観戦記、レッスン書、レッスンビデオなど八面六臂の活躍をしているが、現在は次代のゴルファー育成のため開始したジュニア塾の塾長として脚光を浴びている。スウィング型を作るための「ショートスウィング」を提唱。
 
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